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September 23, 2005

島本浣『美術カタログ論―記録・記憶・言説』

新聞の書評欄で見かけて気になってた島本浣『美術カタログ論―記録・記憶・言説』 (三元社、2005) を買ってみました。

美術カタログ論―記録・記憶・言説

17世紀から20世紀初頭までのフランスにおける美術カタログを調査・研究し、その歴史的変遷と美術のシステムの中で果してきた役割、美術品の分類や記述の問題、さらにカタログが生みだしてきた言説を分析するというものです。ちょっとあまり見ない研究で、特に美術品についての即物的な記述のありかたにとても関心をもっている僕としては、大変興味をひかれたのでした。対象となる時代と地域が区切られていますが、ここで扱われる「カタログ」には競売カタログ、展覧会カタログ、美術館カタログ(収蔵品目録かな?)、カタログ・レゾネと美術に関係するカタログ全体に目がむけられています。

で、本論はまだ読みはじめたばかりですが、プロローグのしょっぱな、

美術史や美術批評史を研究対象としていて困ることのひとつは、カタログ類の収納の問題である。…(中略)…このボリューム・アップしていくカタログを個人的にコレクションしていくことが、並みの家に住んでいる者には少なからず恐怖をもたらすようになってきている。

…思わず共感してしまいました。いや、僕の場合はまだそんなに多くはないし(美術史研究者でもないですしね)、恐怖を覚えるというのにはほど遠いのですが、確かにいずれ問題になるのは確実かと…。

投稿者 ryoji : 10:46 PM | コメント (2) | トラックバック

September 22, 2005

デジタルアーカイブ連続講演会

2005年度慶應義塾学事振興資金による研究課題 デジタルアーカイブ連続講演会の第2回、神崎正英「セマンティック・ウェブとコミュニティの連携」でした。RDF や OWL の概論的な内容だったのですが、僕のヘタクソな質問にも丁寧に答えて頂き、とても参考になりました。博物館資料のような物のデータにつける識別子が悩ましいのですが、と聞いたら tag:スキームなどはどうか、と教えていただきました。コミュニティ内でどんな識別子をつけても、そこで合意ができてればあまり心配しすぎる必要はないのでは、とのこと。勉強してみます。

投稿者 ryoji : 10:19 PM | トラックバック

September 21, 2005

先日喫茶店で

隣りに座った男性2人のうち一方が、

「じゃあ俺オニギリ……じゃなくてニルギリ」

と素で言い間違いしてました。笑いをこらえるのが大変でした。声に出して笑っちゃってもよかったかも、と後で思いました。

投稿者 ryoji : 11:57 PM | コメント (1) | トラックバック

September 20, 2005

2005年度慶應義塾学事振興資金による研究課題 デジタルアーカイブ連続講演会

2005年度慶應義塾学事振興資金による研究課題 デジタルアーカイブ連続講演会の第1回、土屋大洋「クリエイティブ・コモンズの活動紹介―Some Rights Reservedと表示する意味―」に行ってきました。あらためて Creative Commons のまとまった話を聞くよい機会になりました。

次回は明後日、なんと神崎正英さん。僕も来月話すことになってるんですが、そんなシリーズで僕なんかがしゃべって大丈夫なんでしょうか…。準備しなきゃー。きゃー。

投稿者 ryoji : 11:47 PM | トラックバック

September 19, 2005

『ドレスデン国立美術館展 - 世界の鏡』@国立西洋美術館

日曜日に、『ドレスデン国立美術館展 - 世界の鏡』を国立西洋美術館に見にいきました。最終日直前ということで行列、40分待ちという結構ツラい状態でしたが、観る時間は充分とれたので満足です。

ポスターなどからすると、フェルメール、レンブラント、ティツィアーノあたりの絵画が目玉のようでしたが、個人的には工芸品のコレクションが大変興味深かったです。最初のセクションの科学のための道具、測量用具や製図用具が、真鍮製で鍍金されていたりして過剰なほどの装飾を施されていたのが面白かったです。屈折望遠鏡とか見ながら、どんな旋盤使ってたんだろー、とか偏った鑑賞をしてしまいました。それからデューラーの『測定法教則』の有名な挿図って木版だったんですね! 全然知りませんでした。ていうか完全に銅版だとしか思ってませんでした。

やきもの方面でも、マイセン磁器と日本の有田焼・伊万里、中国の徳化などの白磁を並べてみせた展示も大変わかりやすくてよかったと思います。中国の白磁をまねて作られたマイセンがすぐ隣りにならんでいると、やはりかなり質感が違うのがわかりますね。マイセンのものは若干アイボリーがかっていて、中国の白磁は青みがかっていて透明感がある、というように。それにしても注文をうけて有田で生産されたというジョッキについていた大きな「B」の文字が「ビールのB」っていうのは、かなり脱力しましたよ…。

あとはローズカット・ダイヤモンドのコレクションには自分も含めて皆が釘付けになってたのがおかしかった。あれはまさに、目がくらみます。あとフェルメールは好きなので『窓辺で手紙を読む若い女』はよかった。図版で観るより硬質な感じですね。

投稿者 ryoji : 10:12 PM | トラックバック

September 18, 2005

ためしに bloc

イベント情報共有サービスの bloc自分のアカウントを作ってみました。便利なのかどうかまだよくわかりませんが、ま、ものは試しということで。

ちょっとだけいじってみて「うーむ」と思ったところ。僕が勘違いしてるのかもしれませんが…

直接管理者にメールして訊け、って感じですよね…。そういうのについては腰が重いので、もうちょっと使ってみてから考えます。

投稿者 ryoji : 08:36 PM | トラックバック

September 13, 2005

島根旅行

9日から11日にかけて島根を旅行してきたわけですが、初日はまず宍道湖畔の島根県立美術館へ。宍道湖の夕日が美しいからでしょうけれど、閉館時間が日没の時刻にあわせているというユニークな館です。で、もしここへ行かれることがあったら、是非レストランで食事することをお勧めします。ウマイです。

ホテルは宍道湖がよく見える部屋だったのはいいのですが、「インターネット無料」などとなっていたので使おうと思ったら、実態は VSDL モデムをフロントで借りてきて、自分で電話線に繋ぐという…。こんなの初めて。

モデム 電話線

しかも電源のある壁と逆側に電話がついていて、電話線の延長コードまで借りて部屋をケーブルが縦断するしまつ。いいのかこんなんで。ま、ちゃんと繋がったのでいいんですけれど。

翌日10日は松江近辺を観光。小泉八雲記念館、武家屋敷など塩見縄手界隈を散策してから、松江城へ。その後近くのカフェで一服。古い民家を使っているようで、落ちついた雰囲気の気持ちいいカフェでした。近所にほしい。

コーヒー 喫茶店

で、せっかくなので松江城の堀川を巡ってくれる遊覧船に乗りました。堀川にはたくさん橋があるのですが、途中低い橋もあって、そこをくぐるときは遊覧船の屋根が下って乗客も身体を折りまげて低い姿勢をとらなければならないのでした。橋だけでなく幅がギリギリな暗渠もとおったり、結構すごいです。

堀川遊覧

遊覧中もカモやらアオサギやらが沢山いましたが、野鳥が多いですね。トンビなんかいっぱいいるし。ゴイサギも実物をはじめてみました。

で、昼に出雲そばをたぐってから、月照寺へ。お墓いろいろ。亀が強烈です。それから八重垣神社へ。ここには神社の障壁画としては日本最古と言われる壁画があって、かなり間近で見られます。ガラスもなにもなくて、これ「参上」とか書かれたりしない? 大丈夫? と心配になるくらい。ので、白土の塗られた様子やそれがかなり剥落してる様子、うっすらと残った顔料なんかがかなりハッキリ見れます。大丈夫か? (しつこい)

亀

さらに国宝に指定されてる神魂神社へ。これは良いですよー。あまり観光地化もしてないですし、静かだし、場所も暗さがないです。境内はあまり広くないですが、本殿も大変美しく、清潔でさわやかです。地味ですが、松江を観光するならここは必見だと思います。本殿内部には狩野山楽と土佐派の障壁画があるとのことですが、さすがに本殿内部は見られません…。

神魂神社

で、ちょっと離れた熊野大社へ。この日は庭火まつりで、なんかよくわかんないですがアフリカ音楽のライブをやってました。ちょっと気になったのは狛犬のポーズ。出雲式というらしいのですが、お尻が高くあがってるんですよね。

狛犬

翌11日は (前日もたっぷり温泉つかったのに) 岩盤浴でリラックスしてから出雲へ。この日も出雲そばをたぐってから出雲大社でゆっくり時間をつかって見物しました。でかい。これがさらに倍の高さだったらしいというからすごいです。

出雲大社 出雲大社

何も考えずに垣を一周したのですが、裏側はちょっと…何か突然空気が違う感じで、コワかったです。こういうのをパワースポットっていうんでしょうねぇ。こういうのに鈍い僕でさえ急に額に汗が滲みました。

観光ついでに土産物店で『出雲神話ガイドブック』という薄っぺらい本を買ったのですが、これが大正解。読んでみるとかなり面白いです。現実にどんな歴史があったのか、それがどう神話に仮託されているのかなど興味は尽きません。古代出雲の勢力が大和勢力に政治的に妥協したっていうのが国讓りの神話なのかー、とか。いろいろあったんだろうなー。出雲大社にどこか抑圧された雰囲気みたいなものがうっすら感じられるのはそういうことなのかも。

帰りに出雲空港に向かう途中で、ところどころ妙に綺麗に刈りそろえられた松がところどころ見られました。築地松というらしくて、出雲独特の風景だそうです。

築地松

ホテルでネットが使えたのに、帰ってから何日もして書いてるのは、もちろん食事がおいしくてアルコールが入って書けなかったからです。ちなみにホテルの朝食は洋食を頼んでましたが、蜆汁だけはしっかりついてきました。うまかった。

投稿者 ryoji : 11:46 PM | トラックバック

September 11, 2005

Izumo taisha




投稿者 ryoji : 03:52 PM | トラックバック

September 10, 2005

島根旅行

唐突ですが島根に来ています。今回も完全に観光ですが。今日は松江城とその堀川を周遊、その後そばを食べてから比較的近くの神社に参拝してきました。明日は出雲方面の予定です。

投稿者 ryoji : 07:05 PM | コメント (2) | トラックバック

Kamosu jinja




投稿者 ryoji : 05:01 PM | トラックバック

Yaegaki jinja




投稿者 ryoji : 04:11 PM | トラックバック

Matsue jo




投稿者 ryoji : 11:19 AM | トラックバック

Matsue




投稿者 ryoji : 10:38 AM | トラックバック

September 09, 2005

Shimane prefectural art musetm




投稿者 ryoji : 01:40 PM | トラックバック

September 07, 2005

Hibernate でバッチ処理、と composite-element と Criteria

しばらく Java ばっかり使ってるので、だいぶ慣れてきた感じです。でも log4j とかあまりちゃんと使えてないですが…。ま、それはそれとして Hibernate でまた半日くらいハマったのでメモ。

データ移行などで大量のデータを一気に insert, update したりすると、自分の場合では 3000 件ちょいくらいで Out of Memory Exception が発生。え? ひょっとしてメモリリーク? 自分のソースの中を探してもそれらしきコードは見つからず、10万件以上あるのにどうすんのよこれ…とビビりましたが、正解はいつものとおり「マニュアル読め」。Google とか Hibernate Forum で検索する前にマニュアルをちゃんと見るのが正しい、というのは頭ではわかってるんですが、なかなか習慣として身につきません。うぅ。

で、Chapter 14. Batch processing によると、バッチ処理するならとりあえず

hibernate.jdbc.batch_size 20

とかしておくとマトモなパフォーマンスが出るよ、とのこと。確かに妙に遅いなーと思ってたんですが、20倍くらい早くなりました。知らなかったら何日も無駄にしてたかも。あわわ。で、メモリの問題は Hibernate のキャッシュが溜まってしまうのが原因らしく、

hibernate.cache.use_second_level_cache false

と。そして first-level cache もクリアするために、 session.flush() のあとに session.clear() を入れておく。これで問題解決でした。

ついでにもう一つ。Hibernate Forum のこのスレッドによると、

Querying collections of value type is not supported in the Criteria API. Use HQL, or change your mapping to make the composite element class an entity class.

だそうで、composite-element を Criteria で使えないってことみたい。エエー!? どうしよ、あてにしてたのに…。

投稿者 ryoji : 10:21 AM | トラックバック

September 04, 2005

写真はものの見方をどのように変えてきたか @ 東京都写真美術館

東京都写真美術館の開館10周年特別企画展「写真はものの見方をどのように変えてきたか」の第3部「再生」を観てきました。もうこのシリーズは全部観るつもりなんですが、つい会期終了に近くなってしまいます…。第3部は「12人の写真家たちと戦争」、ということで、戦前から戦中・戦後を通して活動した写真家を木村伊兵衛をはじめ12人ピックアップして、それぞれの足跡を辿る、というもので、写真史全体を俯瞰するような第1部、第2部とはまた違った趣向になっている展示でした。対象を絞ったぶんテーマが全面に出ていて、今回も興味深く観ることができたと思います。

第1部、第2部にくらべて時代・地域とも近づいてきているせいもあるのでしょうけれど、東京の写真なんかを観てると、自然と「これはあそこらへんかなー、あの建物は今もあるやつだなー」とか考えてしまいます。戦争と写真、ということでもっと重々しいものというか、戦火の生々しい写真とか戦争の悲惨を記録した写真とかをなんとなく想像していたところもあるんですが、あくまで「戦争という状況下における写真家とその表現活動」が中心になっている感じで、反戦教育的なところがあまり無かったのが良かったのではないかな、と思います。

次回も楽しみです。

投稿者 ryoji : 10:41 AM | トラックバック