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March 23, 2006

『転換期の作法~ポーランド、チェコ、スロヴァキア、ハンガリーの現代美術』 @ MOT

『転換期の作法~ポーランド、チェコ、スロヴァキア、ハンガリーの現代美術』 @ MOT を見てきました。国立国際美術館、広島市現代美術館ときて東京都現代美術館に巡回してきた展覧会で、中東欧4ヶ国の現代美術を紹介する展覧会です。90年代以後 (というか1989年以降、なのかな) のこの方面の美術を紹介する展覧会ははじめてとのこと。わりと社会的なテーマが全面に出てます。

よかったです。見に行ってよかった。空いてたのでゆっくり見れたのはいいんですが、さみしいなぁ。こういうのもっと皆見に行けばいいのにー。ビデオが多いので観るのに時間かかりますけどね。

Ilona Nemeth のベッドの作品は、そこに観客たちが寝そべって耳を澄ましてる佇まいがよかったです。Miroslaw Balka の身体を主題にしながらそれが現れない彫刻も面白い。

自分好みの作品といえば、やはり Antal Lakner の 《INERS》 のシリーズですねー。携帯電話やペンキ塗り、手押し車などの動作を、そこから切りはなしてトレーニング器具にしてしまうという。実際動かせるので楽しいです。でも考えてみればボート漕ぎなんかはトレーニング器具になってますよね。まぁ、そういうのをもっと突拍子もないところまで押し広げていった作品です。あと Kristof Kintera もかなり好み。まったくのガジェット(?) 《製品》 シリーズも楽しいし、《それ》 もペットみたいで妙にかわいいです。あとあと、《もううんざり》 はツボにはまりすぎです。ねぎ! ねぎがー!

一番印象に残ったのは、Artur Zmijewski の《我らの歌集》 でしょうか。第二次大戦中にテルアビブに移住したポーラント系ユダヤ人の老人たちを取材して、ポーランドにいたころの歌を思い出して歌ってもらうというもの。ちょっと感傷的すぎるかもしれないけど。でも病院にいたりして弱りつつある老人たちの体の中に、確かに過去とつながってる記憶があって、それは書かれた歴史からは見えてこないもので、彼らの表情がすごい印象的でした。自分の親が戦時中の話してた時のこと思い出しながら見てました。

ともかく、とても楽しめた展覧会でした。もう終了間近ですが、まだの方は是非是非。

投稿者 ryoji : March 23, 2006 01:17 AM

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