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June 06, 2006
シンポジウム終了
第17回アート・ドキュメンテーション学会年次大会 @ 九州国立博物館が無事終了。シンポジウム、研究会、見学会とも充実していました。2日間のプログラムの後、さらにオプショナル・ツアーとして長崎歴史文化博物館と長崎県美術館の見学でも、バックヤードや書庫・書架を見せていただき、丁寧に案内していただきました。
シンポジウムとか懇親会とかで話したり考えたりいろいろ。
- 博物館の情報共有が韓国と比べて10年遅れてるという話は、そうなのかもしれないけど、自分にはあまり興味がない。
- 学芸員の意識が低いからうまくいかない、という話はもうやめたほうがいい。そう言うことで何かが変わる気がしない。
- ↑はシステム作っても学芸員がデータ入れてくれないって愚痴なんだけど、それはシステムの作りに工夫が足りないから、と考えたほうが前向きで健全。
- 目録化が進んでいないのは事実なので、それはとっても恥ずべき状態で、社会的責任を果たしてない、という主張はもっとしていい。
- 文化庁にばかり期待するのは僕もどうかと思う。自分たちでできることをとりあえず。
- システム開発にあたっては、そうとう車輪の再発明が行われてる様子。これはよくない。
- だからオントロジーとか RDF とかを学芸員が理解する必要なんか、ぜんっっぜん無いんだってばー。
- 文化遺産オンラインは素人のためのもの。美術館の現場では使えない、とおっしゃる人は、まず自前のデータをしっかり作りましょう。みんながそうしてくれれば、使えるものができるはずだから。
- 政府の文化政策が悪い、と本気で思ってる人には、是非ロビー活動してほしい。学会なんかで言っててもとどかないと思う。さもなくば、もっと目立つ学会にしないと。
ともあれ、自分で言うのもなんですが、かなり充実した内容だったと思います。実行委員長なんて始めてだったので不手際がいろいろあり、フォローしてもらいまくりでしたが、なんとか無事終了してホッとしてます。あーもう疲れた。
投稿者 ryoji : June 6, 2006 09:39 PM
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コメント
一般的にリテラシーの問題はあるでしょうね(これは教育や啓蒙の対象)。あと、(PCが好きな)団塊の世代あたりだと、何か誤解しているような気もする。
関心や熱意という意味では、(電子化や)データベースはナショナリズムの産物という説はありますわね。だから韓国や中国が熱心なのは当たり前みたいな。日本人は冷めている。醒めているともいう。大事なのは、選挙に役立つかどうかだけ。かといって、歴史や文化が政治を担うのも困る。
文化庁という話がそちらでもあるんですか。国が何かをやるとしたら、NII(情報学研究所)でしょうね。あそこは凄い。ていうか、殆ど震源地。
投稿者 アームチェア : June 7, 2006 01:46 PM
なんか韓国とか中国が進んでるのに! みたいなコト言われても全然燃えないです。どうでもいいっていうか、そんな比較して何になるんだろう、と思ってしまうんですよね…。政策提言とかそういう文脈では「わが国ももっと!」とか言うのが有効なのかもしれませんが、自分がやることじゃないなーと。
なんかやっぱり、金がない人がいない、育てられない育てても行き場がない、ていう話になると「やはり政策がいかん」という所に話が落ちついてしまうんですよね。でもそれって、そこから具体的に政治活動しないんだったらあまり生産的とは思えんのです。
投稿者 ryoji : June 8, 2006 12:54 AM
学会が政治活動(ロビー活動とか、政策提言とか、マスコミ使ってでも)しようという話かも。政治活動といっても広義のもので、これを僕は「考古情報政策」と読んでますが(笑)、具体的には何もやってないし...
投稿者 アームチェア : June 8, 2006 11:04 PM
もちろんいろんなアイデアを学会のような場で出すのは大事なことだと思うんですが、うーん、でも学会が政治活動をするのがいいのかどうかは、よくわかりません…。ただ、なんか「政府がしっかりしないからイカンのだ」みたな話で終わりにして何となくスッキリしちゃうのはヤだなーと(笑)。
投稿者 ryoji : June 10, 2006 07:47 PM