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June 11, 2006
北欧のスタイリッシュ・デザイン @ 東京都庭園美術館
「ディナーセットを粉砕せよ!」というわけで(違)、『北欧のスタイリッシュ・デザイン―フィンランドのアラビア窯』 @ 東京都庭園美術館を観てきました。滋賀県立陶芸の森で昨年3月に始まった巡回展の東京展、ってことでいいのかな。タイトルの通り、フィンランドの代表的な窯である Arabia のデザインを紹介する展覧会です。雨のわりに人も入っていて、さすがに北欧デザインは人気なのだなぁと。Arabia は Kaj Frank の Kilta を元にした Teema シリーズなんかが我が家でもだいぶ重宝してます。
1873年創業だそうで、そんなにすごい古いわけでもないんですね。初期のものは中国風の陶器とか、わりにもっさりしてるんですが、アールデコあたりから急に洗練されてくるんですね。面白い。全体としてはやっぱり、意外ともっさり、というか華麗さや繊細さよりも、暖かみがあって親しみやすいって感じですよね。かわいい。
Paratiisi シリーズの Birger Kaipiainen や、Raija Uosikkinen の絵付けは、とてもいいですね。デザイナーの名前を知らなかったし、あまり意識していなかったのですが、僕はこの2人の作品はすごく好きです。でも、もちろん Arabia と言えば Kaj Franck。こうして並べてみると、上の世代の Kurt Ekholm のデザインも機能主義的で綺麗なんですが、Kaj Franck のはやはりずば抜けて洗練されてますね。くー。あとやっぱり、機能的で廉価なものっていう近代デザインの理念をきちっと実現してて、ウチみたいな庶民の生活も豊かにしてくれちゃうところが何といっても Arabia の素晴しいところですよね。
現代の作家では、Heljä Liukko-Sundström の「言葉のないお話」からのウォールプレートが気に入りました。可愛いくてオソロシイ。ウサギを擬人化した寓意的な絵柄で、なんとなく Goya の Caprichos を連想してしまいました。
というわけで楽しめたのですが、うーん、そこもうちょっとkwsk! ってところが結構あって、もうちょっと突込んでてくれたらよかったのになー。同時代の陶芸の状況とか、他の北欧デザインの流れとの関係とか…。ちょっぴり物足りない気持ちが残ってしまいました (最近は庭園美術館での展覧会には無闇に期待してしまうのです…)。あ、そうそうムーミンものもちゃんと出てます。3階に展示されてた個人蔵のコレクションなんかは、指を咥えて「ほしー」となってる人がかなりいると思われます。
投稿者 ryoji : June 11, 2006 11:28 PM
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