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December 24, 2006
My name is Bond, James Bond.
ものすごいミーハーな話題ですが。驚きと賞賛で迎えられている 007 シリーズの最新作、"Casino Royale" (2006, UK, dir. Martin Campbell) (Wikipedia, IMDb) を観ました。(ネタバレあり)
よ、よかった…。宣伝で言われているような「007 になる前の物語」というのはちょっと違っていて、007 になる直前から物語は始まるものの、その直後のミッションがメインになってます。よく言われているように、これまでの 007 とは全く違う印象で、ずっとシリアス…というか、笑うところが極端に少なくなっている、という感じでしょうか。前作 "Die Another Day" なんて、のっけからサーフィンで潜入したりして大喜びしてしまったのですが、今回はそういうのは無くて。リアリティのあるジェームズ・ボンド、というような言い方もされますが(確かに拷問のシーンとかはね…)、うーん、僕はそれよりやっぱり「笑わせないジェームズ・ボンド」という印象でした。
ボンドを演じるダニエル・クレイグは良かったですよ。シリーズ最高との呼び声もあるというのはうなずけます。ボンドガールのエヴァ・グリーンも実にストレートな美人ですし。とにかく奇抜さというものを極力排除した感じです。なのに、それほどまでに違うのに、それでもまだちゃんとボンド・ムービーとして成立してしまうというのは、何か 007 シリーズの骨太さみたいなものを感じてしまいますね。奇抜なガジェットやありえないボンドカーといったものに頼らなくてもいいんですねぇ。まあ、要素としていろいろ「007 らしさ」を出しているのは確かなのですが。エキゾチックな街での追跡劇とか、なんだかんだで結局水着姿になるボンドガール(笑)とか。悪役が身体的に変わってるとか(今回は血の涙)。ちゃんとサービスしてるところはしてるんですよねー。例えば Miss Moneypenny が出てこないかわりに(?)、
Vesper Lynd: I'm the money.
James Bond: Every penny of it.
なんてセリフを入れてくれてたりして。
ただまあ、Sony Ericsson のケータイはちょっと露出しすぎという気が…。
あ、あとあと、僕としては今回のオープニングが非常に素晴しい出来だったことを特筆しておきたいです。これはいい。いつもオープニングは凝っていて好きなのですが、ここについては今回は本当にシリーズ最高の出来栄えと言って良いのではないかと思います。
後半のロマンスも、僕はそんなに間延びしてるとは思いませんでしたよ。あれくらいでいいんじゃないかなぁ。まあ正直展開そのものは読めるっちゃあ読めるんですが、それはもう寅さんみたいなもんですしねぇ。ラストも非常にサービス精神があるというか、これでとりあえず満足でしょ、という形で。それで満足しちゃう客も客なんだけど、僕は嫌いじゃないなー。あの 007 のテーマ曲も劇中はあんまり使われてないように思いましたが、それはラストとの絡みでしょうかね。
ダニエル・クレイグでもう一本というのは決まってるようなので、今から楽しみです。