この文書は RFC2413 "Dublin Core Metadata for Resource Discovery" の日本語訳です。日本語訳には翻訳上または技術上の誤りがある可能性があり、 翻訳の正確さは全く保証しません。 翻訳に際しては Shigeo Sugimoto (sugimoto@ulis.ac.jp) さんによる "Dublin Core Element Set: Reference Description, v. 1.1" の日本語訳 http://www.dl.ulis.ac.jp/DC/RefDsc/DCS-J2.html を参考にしました。 訳者: 村田良二 (Murata Ryoji ) 2001-10-04 2002-03-20: qualification の訳が間違っていた (「証明」になっていた) ので、 「修飾」に直しました。 -- Network Working Group S. Weibel Request for Comments: 2413 OCLC Online Computer Library Center, Inc. Category: Informational J. Kunze University of California, San Francisco C. Lagoze Cornell University M. Wolf Reuters Limited September 1998 資源発見のための Dublin Core Metadata 1. このメモの位置付け このメモはインターネットコミュニティのための広報である。 これはいかなる種類のインターネット標準も定めるものではない。 このメモの配布は無制限である。 著作権表示 Copyright (C) The Internet Society (1998). All Rights Reserved. 2. 要約 一連の Dublin Core Metadata ワークショップは、電子資源を発見するための よりよい標準を促進するため、司書、デジタル図書館研究者、コンテンツ・ エキスパート、テキストマークアップ・エキスパートを集めた1995年の 招待ワークショップで始まった。Dublin Core は学際的・国際的な 合意形成の努力から浮びあがった、記述子の15のエレメントセットである。 これは Dublin Core を説明する一連の広報 (Informational) RFC の 最初のものである。その目的は Dublin Core を紹介し、15のエレメント それぞれの意味論にわたるコンセンサスを記述することである。 3. はじめに World Wide Web で適切な情報を見つけることは、ネットワーク化された 資源の爆発的な成長によってますます問題になってきている。 現在の Web の索引づけは資源発見ツールの必要を満たすよう急速に発展したが、 索引づけは有用であるものの、より豊かなリソースディスクリプションの 多様性にたいする貧弱な代替である。 1995年3月に司書、デジタル図書館研究者、そしてテキストマークアップ・ スペシャリストを集めた招待ワークショップが、ネットワーク化された 資源から資源を発見するという問題に取り組むために開かれた。 この活動は、全体として一連の Dublin Core Metadata ワークショップ として知られるようになった一連の関係するワークショップと補助的な 活動へと発展した。 Dublin Core の試みを動かしている目標は: - 制作と維持の単純さ - 一般に理解される意味論 - 既にある、また現れつつある標準に従うこと - 国際的なスコープと適用性 - 拡張性 - 収集・索引づけシステムとの相互運用性 これらの要求はいくつかの程度にまたがる目的になるが、どれも魅力的な 目標である。一連のワークショップの多大な努力は、これらの目標の 間の緊張を最小化するよう導かれてきた。 この試みで配布することのできる主要なものの一つは一連の エレメントで、これは領域横断的な資源発見のためのコアエレメントとなるべく、 こうしたワークショップの参加者共同で審議されたものである。 "Dublin Core" という言葉はこの記述エレメントの核に適用される。 Dublin Core の展開の初期の経験によって、いくつかのアプリケーションの ためにエレメントの修飾 (qualification) をサポートする必要性が明かになった。 従って、Dublin Core エレメントは (この RFC での説明のように) 修飾ぬきで 説明されたり、その意味論を精密化する修飾 (将来の RFC の主題である) つき で説明されたりするかもしれない。相互運用性のために、 単純な索引づけ・発見ツールは提供されたどの修飾も無視できるべきであるし、 しかもより進んだ、意味論的に豊かなツールはより特定的あるいは適切な 発見をサポートするために修飾を利用できるべきである。 一連のワークショップから浮かびあがった構文と意味論に関する 広い合意は、この文書が最初となる一連の広報 RFC で説明されるだろう。 4. Dublic Core Elements の記述 以下は Dublin Core Metadata Element Set の定義リファレンスである。 Dublin Core Metadata Element Set についてのより詳しい情報は [1] から 入手できる。 http://purl.org/metadata/dublin_core 以下のエレメントの記述では、各エレメントにはエンコーディングスキーム のためにエレメントの構文的仕様を単純にするよう意図された一語の 形式的ラベルとともに、共通の意味論的な理解を伝えるために 記述的な名前がある。 HTML のようないくつかの環境は大文字小文字が区別されないが、 後でメタデータが拡張されたり、XML (Extensivle Markup Language) [2] のような大文字小文字を区別する環境に変換されたりする際の混乱を避けるため、 以下で示されているエレメントラベルの大文字小文字の慣習を守ることが 推奨される最良の方法である。 各エレメントはオプションであり繰り返し可能である。 メタデータエレメントはどの順序で現われてもよい。 同じエレメントが複数出現するときの順序 (例えば Creator) は、 提供者の意図した重要性があるかもしれないが、順序がどのシステムでも 維持されるという保証はない。 世界的な相互運用性を推進するため、いつかのエレメントの記述では それぞれのエレメントの値として統制された語彙を提案している。 特定のローカルドメイン内での相互運用性のために、他の統制された語彙が 開発されることも考えられる。 メタデータエレメントは、そこに入る情報のクラスまたはスコープをおおまかに 示す3つのグループに分れる: (1) 主として資源の内容に関するもの (Content)、 (2) 主として資源が知的財産として見なされる際に関係するもの (Intellectual Property)、 そして (3) 主として資源の具体化に関するもの (Instantiation)、である。 Content Intellectual Property Instantiation ----------- --------------------- ------------- Title Creator Date Subject Publisher Format Description Contributor Identifier Type Rights Language Source Relation Coverage 4.1. タイトル ラベル: "Title" 資源に与えられた名前。一般には作者または公開者によって与えられる。 4.2. 著者または作者 ラベル: "Creator" 資源の知的内容の創造に主たる責任を持つ人あるいは組織。たとえば、 著述された文書の場合の著者、視覚的資源の場合のアーティストや写真家、 またはイラストレータ。 4.3. 主題およびキーワード ラベル: "Subject" 資源のトピック。典型的には、主題は資源の主題または内容を説明する キーワードまたはフレーズで表現される。統制された語彙や正式な 分類体系の利用が奨励される。 4.4. 記述 ラベル: "Description" 資源の内容の説明文。文書類の場合の要約、視覚的資源の場合の内容記述を含む。 4.5. 公開者 ラベル: "Publisher" 出版社、大学の学科または企業のような、資源を現在の形で利用可能にした ことに責任をもつ実体。 4.6. 他の貢献者 ラベル: "Contributor" Creator エレメントに示されていない人または組織で、資源に重要な知的 貢献をしたもの。Creator エレメントに示された人または組織に次いで 貢献したもの。(たとえば、編集者、翻訳者、イラストレータ) 4.7. 日付 ラベル: "Date" 資源の作成または利用可能になったことと関連する日付。 YYYY および YYYY-MM-DD の形の日付を (他のものの間に) 含む ISO 8603 [3] の形に、推奨される最良の方法が定義されている。 この形式では、たとえば、 1994-11-05 は1994年11月5日に対応する。 4.8. 資源タイプ ラベル: "Type" ホームページ、小説、詩、ワーキングペーパー、テクニカルレポート、エッセイ、 辞書などのような、資源のカテゴリ。相互運用性のために、タイプは 一連のワークショップで現在開発しているリストの中から選ばれるべきである。 4.9. フォーマット ラベル: "Format" データフォーマット、およびオプションとして資源の寸法 (たとえばサイズ、 持続時間)。フォーマットは資源を表示したり操作したりするのに必要な ソフトウェアや場合によってはハードウェアを識別するのに使われる。 相互運用性のために、フォーマットは一連のワークショップで現在 開発しているリストの中から選ばれるべきである。 4.10. 資源識別子 ラベル: "Identifier" 資源を一意に識別するのに使われる文字列または番号。 URL や (実現されれば) URN はネットワーク上の資源のための例である。 他の世界的に一意な識別子としては、国際標準図書番号 (ISBN) や その他の正式な名前もこのエレメントの候補である。 4.11. 出典 ラベル: "Source" 現在の資源が由来する別の資源に関する情報。 一般に、エレメントには当該資源に関する情報のみ含むことが推奨されているが、 当該資源を発見するのに重要だと考えられる場合には、このエレメントは 第2の資源のメタデータを含むことができる。 4.12. 言語 ラベル: "Language" 資源の知的な内容の言語。RFC 1766 [4] に推奨される最良の方法が 定義されている。 4.13. 関係 ラベル: "Relation" 別の資源の識別子およびその当該資源への関係。このエレメントは 関連する資源間のリンクを表現するのに使われる。 相互運用性のために、関係は一連のワークショップで現在 開発しているリストの中から選ばれるべきである。 4.14. 対象範囲 ラベル: "Coverage" 資源の知的内容に関する空間的または時間的な特性。空間的範囲は 物理的な範囲 (たとえば天球の一部) を指し、場所の名前または 座標 (たとえば経度と緯度)を使う。時間的な範囲は資源の内容に関する 時間を指すもので、作成または利用可能になった時点のことではない (後者は Date エレメントに属する)。 時間的範囲は典型的には 名前のついた期間 (たとえば新石器時代) または Date エレメントで推奨されているのと同じ日付/時刻フォーマット [3] が使われる。 4.15. 権利管理 ラベル: "Rights" 権利管理の声明文、権利管理の声明文へリンクする識別子、 または資源の権利管理に関する情報を提供するサービスへリンクする識別子。 5. セキュリティに関する考察 Dublin Core element set はコンピュータおよびネットワークには何ら リスクをおよぼさない。豊富なデータ記述から単純な Dublin Core スキーム への不注意なマッピングによって、検索者が誤った、あるいはプライベートな 情報を入手するという最小限のリスクがある。 エレメント記述のコンセンサスによって引き起こされるかもしれない それ以外のセキュリティに関しては、ここには書かれていない。 6. 参考文献 [1] Further information about the Dublin Core Metadata Element Set, http://purl.org/metadata/dublin_core [2] Extensible Markup Language (XML), http://www.w3.org/TR/REC-xml [3] Date and Time Formats (based on ISO 8601), W3C Technical Note, http://www.w3.org/TR/NOTE-datetime [4] Alvestrand, H., "Tags for the Identification of Languages", RFC 1766, March 1995. 7. 著者の連絡先 Stuart L. Weibel OCLC Online Computer Library Center, Inc. Office of Research 6565 Frantz Rd. Dublin, Ohio, 43017, USA Phone: +1 614-764-6081 Fax: +1 614-764-2344 EMail: weibel@oclc.org John A. Kunze Center for Knowledge Management University of California, San Francisco 530 Parnassus Ave, Box 0840 San Francisco, CA 94143-0840, USA Phone: +1 510-525-8575 Fax: +1 415-476-4653 EMail: jak@ckm.ucsf.edu Carl Lagoze University Library and Department of Computer Science Cornell University Ithaca, NY 14853, USA Phone: +1 607-255-6046 Fax: +1 607-255-4428 EMail: lagoze@cs.cornell.edu Misha Wolf Reuters Limited 85 Fleet Street London EC4P 4AJ, UK Phone: +44 171-542-6722 Fax: +44 171-542-8314 EMail: misha.wolf@reuters.com 8. コピーライトの完全な表示 Copyright (C) The Internet Society (1998). All Rights Reserved. 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