前田ジョンの過去10年の活動を網羅的に観せている展覧会。楽しい。 コンピュータを使ったデザインというものが、アプリケーションを上手に使う みたいな話とはまったく違った次元で展開されうることを、前田ジョンの 作品はいつも思い出させてくれる。どの作品も単純で強力なアイデアに 支えられていて、ユーモアのある表現に魅きつけられる。 シンプルな表現はわかりやすくて、抽象表現の楽しみにはこういう形も あったんだと発見する。作品の「意味」とかなんとかを考えなくても楽しめる、 というのは素敵なことだ。 (しかし、会場の奥にあった青いテープのインスタレーションは 何だったんだろう? 謎)
大仰でない、小さな世界で繰り広げられる楽しみ。ソフトウェアの多くは
とても単純だし、「インターネットで世界がつながる」みたいな
風呂敷の拡がりがちな場面でも、前田が選ぶのはたった一本の線だ。
One-Line Project
は一本の線で世界をつなごうとするプロジェクト。
また、今回は i-mode で見られる i-Appli の作品もある。残念ながら
僕は i-mode ユーザではないので見ていないけれど。
展示ごとに付けられている文章がわりに興味深かったので、 アーティストトークを見にいけばよかったなぁ、と後悔してしまった。 でも Web のデザインではが気に入っていたというのは 意外というか、言われてみれば納得というか。
簡単なプログラミング言語でデザインするためのツール Design By Numbers もちょっといじってみたのだけれど、かなり楽しい。 プログラミングの経験がある人ならサンプルコードを読めばすぐに理解できるし、 そうでない人も同名の書籍が出ているのでゆっくり学べると思う。 コンピュータを使ったデザインの教育に、もっとこういうのが使われると 良いのだけれど。Adobe 製品の 使いかたを教えてる場合じゃない、と思う。