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March 21, 2005
日本のジュエリー100年展 @ 東京都庭園美術館
私達の装身具:1850-1950 日本のジュエリー100年展を観てきました。渋い展覧会で、面白かったですよー。「ジュエリー」といっても、宝石よりもむしろ明治から戦前にかけての工芸、とくに金工、漆工の実用的・産業的な面に光をあてた展覧会という面が強いように思いました。というかまぁ、アクセサリーですね。でも例えば
明治期の最大の課題が不平等条約の改正であったとすれば、洋装化のひとつとしてジュエリーのもつ意味も決して小さくはない。さらに、明治5年の行幸に際しては、天皇自らが「洋服を著してその範を垂示」するなど、洋装化には時代の変化を国民の目に印象づける意味もあったのである。 (同展カタログ、p.63)
とか、やはりここでも明治天皇と近代化政策みたいなトピックが出てきたりして、骨太なところもあり、よかったです。
もちろん、モノも結構面白くて、東都の四季写真蒔絵櫛・笄 (たまたま違うサイトで見つけてしまった) という、「写真蒔絵」なんていう技法によるものがあったりして。へーへーって感じ。写ってるのは寛永寺らしいですね。あとやはり自分の好みからすると文明開花系の図案がもう素敵すぎます。「電線にツバメ図銀蒔絵べっ甲櫛」とか「電灯かんざし」とか「ラッパかんざし」とか、蝙蝠傘の図案の櫛とか!もう!うひょーー!…って、すみません、どうしてもアレゲなものに目がいってしまいます。でも別に悪趣味じゃないんですよ、ホント。「電線にツバメ図」なんかは図案としての完成度はかなり高いんじゃないかと思います(個人的には、ですが)。
もちろんモロモロの超絶的な技巧を凝らした品やユーモラスなデザインの数々は観てて飽きませんでしたが、あと面白かったのはやはり図案。面相でチマチマ描いてある動物なんかが、すごいかわいかったりして。小さく上手に描くって難しそうですが、うーむ素晴しき職人技。あといくつか図案を並べて描いてあって、そのうち一つに「決定」とか書きこまれてたりするものがあって、どうもプレゼン資料にしてクライアントに見せてたらしい、というのもあったりして興味深いです。
戦時期の貴金属召し上げ(「金の飾りは銃後の恥辱」、「きょうから金の国調」、ともに神戸大学付属図書館の新聞記事文庫。すばらしい)を乗りこえて残ってきた貴重な品々でもあるわけで、そういう意味でも考えさせられる所のある展覧会でした。
投稿者 ryoji : March 21, 2005 10:56 PM
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コメント
近代的な立憲君主として国民に近代化の範を垂れるモダンな存在としての天皇、重要。
今晩の『その時歴史が動いた』の再放送「グッドバイちょんまげ」も、明治天皇が範を垂れて断髪した、って話でしたね。
来年度のNHKスペシャルのシリーズ「明治」も、その手の話をもっと取り上げられるのかなぁ、と期待したいところ。
モダンの象徴としての天皇の復権を!!今の天皇にも、伝統だの先例だのにとらわれずに、革新的な政策についてガンガン範を垂れて欲しい、というか(違)
投稿者 TFJ : March 24, 2005 09:31 PM