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July 11, 2005

写真はものの見方をどのように変えてきたか @ 東京都写真美術館

また最終日だよ! 東京都写真美術館の開館10周年特別企画展「写真はものの見方をどのように変えてきたか」の第2部「創造」を見てきました。ピクトリアリズムからストレート・フォト、バウハウスや日本の新興写真、というように19世紀末から戦前までを中心に、芸術としての写真、というか写真の芸術性についてなされた様々な試行錯誤が辿れる展示でした。前回もそうですが、この第2部も非常に充実したものでした。素晴しい。それにしても、東京都写真美術館ってかなり包括的なコレクションを持ってるんですね。こういう機会に、よく考えられたコレクションが十二分に活かされいると感じます。

余談というか自分の仕事柄ちょっと気がついたこと。写真の展示のときはいつもそうだったかどうか思い出せないのですが、キャプションの「技法」の欄には、基本的にプリントの方法が書いてあるんですね。「ゼラチン・シルバープリント」とか。ソフトフォーカスレンズを使ったとか、ディストーションとかソラリゼーションとか、モンタージュとかいう言葉は説明文の中には出てくるけれども、「技法」欄にはないのですよね。これはそこで「作品」とされているものは、その「プリントという物体」だからなのでしょうかね。いわゆる芸術写真で一番大事なモノ、というか真正性が問題になるのは「オリジナルプリント」なのだと聞いたことがありますが、そういうこととも関係あるかも。ひるがえって写真集とか見ると、あまりプリント方法について言及されていなかったりしますよね。そこ(写真集)における作品はきっと「像そのもの」という抽象的なものなのかもしれません。…というようなことについてまとまった文章があれば読んでみたいです。

投稿者 ryoji : July 11, 2005 12:46 AM

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