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July 11, 2005

東京文化財研究所(編)『うごくモノ ― 「美術」以前の価値とは何か』

ようやく読了。

うごくモノ  「美術」以前の価値とは何か

2002年に行なわれたシンポジウムの報告書です。「モノの年輪」「モノの旅行記」「モノと人の力学」の3つのセッションに分けてあり、それぞれ時間の経過、空間的な移動、モノの起かれたコンテキストの変化を軸にして、様々な論考が展開しています。シンポジウムのページにも各プログラムの概要が載ってるますが、どれも非常に面白いです。また従来美術史が真正面からとりあげてこなかったようなモノがかなり出てきている点でも興味深いのですが、これも美術史の変化の一つの表れなのでしょうか。

特に印象に残ったのは、江戸時代に石をコレクションしてた人達についての「神代石の収集」、跋文が周到に用意された様子を分析した「題跋の追加とその価値」、有名なピカソの作品を扱った「ゲルニカのオデュッセイア」、実在した画家、しなかった画家と彼らへの評価について語る「作品のアイデンティティと画家の実存」、警鐘を鳴らす「とこしえに地上から消えた千島アイヌとその文化」、赤瀬川の千円札事件を扱った「「日常性への下降」から「芸術性への上昇」へ」といったあたり。

また別の機会に詳述しようと思っていますが、美術作品の情報の見方として、その製作から現在の状態にいたるまで、または作品が消失するまでの時間全体を、一つのライフサイクルにおいて捉えるという考え方がいいのではないかな、というようなことを、ここのところずっと考えてるんです。そういう意味でもタイムリーに読めて、かなり示唆的でした。うむ。

投稿者 ryoji : July 11, 2005 12:56 AM

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コメント

こんにちわ..
geibun-wikiを勉強しようとwiki内を散策していたら発見したのでのぞいてみました。で、一緒に本もamazonで注文してしまいました。今日から夏休みモードに突入したので、まだ自宅です。
それにしても日本美術史はおもしろすぎです。いままでやってきたことをすべてストップさせてもよいな1?と思わせるおもしろさ。本が届くのが楽しみです。
さて、私目もこっそりブログを書いてみたり。暇なときにのぞいてみてください。最近は英語の勉強用にしかなっていませんが。。。
http://soramio.cocolog-nifty.com/soramio/
では、またご近所で!!

投稿者 コーノ : July 15, 2005 12:18 PM

夏休みかぁ、いいなー。朝顔も羨しいです。
ウチも食べ物以外のものも植えようかしらん。

投稿者 ryoji : July 16, 2005 11:44 PM

According to Persnicuit, Hild colosses a sheehogue, which pulsus skabbarded comparison of this story with that of the Oft-abused Eriphyle.
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投稿者 mortgage loan : October 20, 2005 07:05 AM

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投稿者 Merrell sale shoes : October 20, 2005 07:43 AM

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