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December 29, 2005

仕事納め

昨日が仕事納めでした。

ちょうど、公開のサイトを再開して weblog ツールを導入したのも1年前。早いなぁ。東京国立博物館での仕事もちょうど1年ということになります。うー早い。今は招聘型任期付研究員ということで3年の任期で働いてるので、もう1/3が過ぎたことになります。まぁ、一応は成果を外部に出したりしましたし、学会などでもお話しする機会も今までより格段に多い1年ではありました。あとなんか名刺がすぐなくなる! しかし、うーん、なんというか、プレッシャーが大きくなりつつあるような…。もうちょっと気を楽にして過ごしたいものです。

博物館・美術館の情報公開とか情報共有について、自分には割にはっきりしたイメージがあるんですが、そういうイメージを人に伝えるのが案外難しいといなぁ、という実感をこの1年で持ちました。それぞれの人が思い描いてるのと、やっぱりちょっとずつズレているわけで、それは当たり前なんですが、何もイメージを持ってない人に話すよりズレたイメージを持っている人に話すほうが伝わりにくいような気がします。

特に最近感じるのは、図書館方面の人と微妙に話が通じづらい、ということ。図書館情報学はすごくしっかりしたバックグラウンドがあって、歴史もあって、独立した学科もあちこちの大学にあります。だけど図書館の人達は、図書館での情報共有とかのイメージをすごく強くもっているので、博物館・美術館でも同じような感じで情報共有やなんかをやるものなんだろうと (無意識的にであれ) 思っているのではないかなぁ、と話をしていて感じることがあります。場合によっては、図書館のやり方は「正しく」て、博物館でもそうする「べき」と思ってらっしゃるのでは? という印象を受けることも。例えば図書館の目録規則は、規則に従えば誰が書いても同じ目録がとれるということになってますが、博物館・美術館ではそれはまず目標にできないし、個人的には目標設定としても正しくないと思っています。えーと、この辺の話はまたいずれちゃんと考えようと思います。

いろんな研究会やら勉強会やらに参加して、懇親会なんかにも顔を出して、いろんな方々と話す機会が増えたのもよかったですね。まぁ、必ずしも元気が出るような会ばかりではないですが。いやなんか、ともすると「だから日本の美術館はダメ」とか「日本の学芸員はダメ」とかいうウラミ節になることが多くて、そういう話にはほとほと倦んできてしまって…。そんなこと言っててもしょうがないのにね。「ああしなければならない」「こうするべきだ」ということを言う人は多いのですが、それを実現するために「こうすればいいのでは?」と言えるようになりたいし、そういう人が増えてくれるといいなーと思います。そんでそれに対して「いやそれはこうだからダメだ」じゃなくて「さらにこうすればより良いのでは」と言える人が増えてほしい。自分も含めて。うん。前向きに、前向きに。

あれーなんかちょっと暗いめ? でもちゃんと、すごく充実した1年でしたよ。自分の専門の研究にかなり専念できましたし。同僚の人達からは、ものすごく色んなことを教えてもらってるし。これまでちゃんとできてなかった勉強もしてるし。コードだってもりもり書いてるし。

この1年は僕にとって blog の1年でもあったわけですが。ネットを通じて知りあった人達とまた交流できて嬉しいです。新たに知り合うことができた人もいてスバラシイです。あと自分が自作スクリプトで掲示板をやってたころとは、格段に環境が違っていて、いやほんと便利になったなー、なんてオッサンぽく思ってみたりします。こんな経験ができることに感謝です。

別に今年のまとめというわけでもないですが、休みの日らしく書きちらしてみました。

投稿者 ryoji : December 29, 2005 09:48 PM

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