博物館資料情報のための CIDOC ガイドライン: 序論


このページは 国際博物館会議 (ICOM) のドキュメンテーション委員会 (CIDOC) が開発した 「博物館資料情報のための国際ガイドライン: CIDOC 情報カテゴリ」 の一部です。 これは博物館コレクションに関する記録を開発する際に利用できる 情報カテゴリについての説明です。 「ガイドライン」についてのより詳しい情報は、 最初のページをご覧下さい。

この序論は以下の内容を含みます:


「ガイドライン」

「博物館資料情報のための国際ガイドライン: CIDOC 情報カテゴリ」 は、博物館コレクションに関する記録を展開する際に利用できる 情報カテゴリについての説明です。 個々の博物館、国のドキュメンテーション組織、あるいはシステム開発者は、 作業している博物館ドキュメンテーション・システムの基礎としてとして 「ガイドライン」を採用することができます。

「ガイドライン」は以下の要素を組み込んでいます:

「ガイドライン」はプロジェクトチームのメンバーの経験と、 他の多数のドキュメンテーション・プロジェクトの最良の実践の分析に 基づいています。 それはアメリカ、カナダ、イギリスおよびフランスでの、 他の CIDOC ワーキング・グループやインターナショナル・イニシアチブによる 関連研究を含む、主要な国別および国際的な博物館情報の記述と互換性があります。 これらのイニシアチブについて、より詳しくは 「国際博物館および文化遺産情報標準の開発」 (Developments in International Museum and Cultural Heritage Information Standards) (Getty Art History Information Program and the International Council of Museums. International Committee for Documentation, 1993). のパンフレットから得られます。

これらのドキュメンテーション・プロジェクトのほとんどによって開発された 情報分類は、データ標準 (data standard) または 情報標準 (information standard) として言及されてきました。 「標準」とは、一貫した結果を保証するのに役立つ、互いに承認された名称です。 (Getty Art History Information Program and the International Council of Museums. International Committee for Documentation, 1993) このプロジェクトの現在の状態では、我々は「標準」という言葉は 一旦広範に受け入れられたものだけに使われるべきものだと考えて、 この用語を避けてきました。 我々はこの「ガイドライン」の将来の版がそうなるように願っています。

序論の先頭へ


博物館ドキュメンテーションの目的

「ガイドライン」は以下の博物館ドキュメンテーションの 鍵となる目的をサポートします。

文化的財産を、破損、紛失、盗難および人道に対する罪から守る必要性は、 標準化されたドキュメンテーションの実践を発展させる動機となってきました。 1970年の ユネスコの 「文化財の不法な輸入、輸出および所有権譲渡の禁止および防止の手段に関する条約 (Convention on the means of prohibiting and preventing the illicit import, export, and transfer of ownership of cultural property)」 は、文化的財産を識別するための国家的な目録の確立を勧告しています。 標準化された方法で目録を作ることは、紛失を予防し、失なわれた物品を 取り戻すのに役立ちます。

よいドキュメンテーションが利用可能であることは、資料に関する知識が 資料それ自体を越えて拡がることをも確実にします。 それはキュレーター、研究者および一般の人々がコレクションを利用するための 基盤を提供します。

序論の先頭へ


「ガイドライン」の役割

「ガイドライン」にはいくつかの主な役割があります (Getty Art History Information Program and the International Council of Museums. International Committee for Documentation, 1993):

「ガイドライン」はコレクション目録またはフルカタログの基盤として 利用できます。

「ガイドライン」は考古学、文化史、美術、科学と技術、および自然科学を 含む、博物館で表現されるすべての学問領域のニーズをサポートするよう 設計されています。

「ガイドライン」は個別資料および受け入れ全般のドキュメンテーションを サポートするのに利用できます。 自然科学的試料の組や考古学的遺跡からの大量の発掘物のような専門的な 詳細を除けば、コレクションの個別資料ごとの情報を開発することは重要です。 もしスタッフの人的資源が限られているのであれば、目録レベルの情報を 開発することに優先順位をおくべきでしょう。

「ガイドライン」は以下のものでないことに注意して下さい:

序論の先頭へ


「ガイドライン」における 情報グループと情報分類

「ガイドライン」はいくつかの情報グループ (Information Groups) と 情報分類 (Information Categories) の定義と説明を含みます。

それぞれの情報グループは資料の特定の側面を記述します。例えば:

それぞれの情報グループは一つまたはそれ以上の、 情報の関連要素を記述する情報分類を含みます。 例えば、受入グループは以下のものを含みます。

上記のように、「ガイドライン」の最も重要な役割の一つは 博物館ドキュメンテーション・システムを設計する際に利用できる 参照モデルとしてのものです。 「ガイドライン」は、他の標準と結合して、新規および改訂版のシステム の基盤として利用されることが予想されます。

個別のシステムは意図されたユーザのニーズに対して適切な、 それぞれの情報グループおよびカテゴリを組込む必要があります。 情報グループとカテゴリの適切な組合せは、博物館ごとに変わるでしょう:

逆に、専門的な要求のある博物館では「ガイドライン」には載っていない 追加の情報カテゴリが必要とされるでしょう。 この分類のセットは包括的または限定的なものとしてではなく、 組み立ての核を提供するよう意図されています。 追加のカテゴリは将来の版に含まれるかもしれません。

序論の先頭へ


内容と用語法の統制

標準化された形式規則と用語法の統制を利用することは、 一貫したドキュメンテーションの作成を助けます。 これらの原則は情報カテゴリの説明で強調されています。

内容形式規則は情報カテゴリの中のエントリの構造を定義します。 例えば、個人名の場合、名前の最も重要な構成部分が最初に記録され、 一貫した順序に従って他の要素が続くでしょう。 これは記録者にとっては揃ったエントリの開発を、 ユーザにとっては効率的な情報検索を助けます。 多くの博物館はドキュメンテーションのこの側面を制御するために、 アングロ-アメリカン カタログ作成規則 (Anglo-American Cataloguing Rules) (1988) のような充分確立した図書館の標準を採用してきました。

用語法の統制は情報カテゴリにおいて適切な言葉を定着させるのに利用できます。 それはまた、記録者が一貫した情報を展開するのを補助し、 ユーザが情報を検索するのを助けます。 統制された用語法を開発するプロセスには、以下が含まれます:

博物館は状態報告に使われるコードのような、統制された、特定のニーズのための 特殊な用語法を一つまたはそれ以上開発するように決めてもよいでしょう。 しかしながら、資料や個人名、材質あるいは技法のようなこみいった事例では、 標準化されたシソーラスのようなすでにある用語法を採用した方が 通常は好ましいものです。確立したシソーラスの広範な利用は、コレクションを 横断した情報検索を容易にするでしょう。

シソーラスの開発を管理する2つの国際標準が国際標準化機構 (ISO) によって 発行されています。 これらはシソーラスの目的と範囲、用語の識別、用語形式の選択と用語間の関係、 形式の将来性を確定するための規則を提供します。

1988年に MDA は、多くの博物館の経験を見直し、用語法の開発の向上について 説明した、博物館のための用語法 (Terminology for museums) に関する協議会を組織しました。 この協議会の議事録は広範囲な出展リストと参考文献を含んでいます (Terminology for museums, 1990)。 多くの共同プロジェクトはその後相当に進歩しました。 AHIP の2つのイニシアチブも含まれます:

博物館のための用語法を含むその他のガイド:

序論の先頭へ


先頭のページ、または次のセクション 用語解説へ移動


file: guideint.htm; author: CIDOC; updated June 1995