博物館資料情報のための CIDOC ガイドライン: 資料名情報グループ
このページは
国際博物館会議 (ICOM) のドキュメンテーション委員会 (CIDOC) が開発した
「博物館資料情報のための国際ガイドライン: CIDOC 情報カテゴリ」
の一部です。
これは博物館コレクションに関する記録を展開する際に利用できる
情報カテゴリについての説明です。
「ガイドライン」における情報グループと情報カテゴリの概要については、
紹介リストをご覧下さい。
目的:
この情報グループは、第一にアカウンタビリティ、アクセスおよび歴史的記録を
支援します。コレクションのレベルでは、資料の範囲または利用できる標本のタイプ
を確立するために最も重要です。
情報カテゴリ:
資料名 (Object name)
資料名タイプ (Object name type)
資料名典拠 (Object name authority)
例:
資料名: altarpiece
資料名典拠: Lyons, E
資料名: Rattus rattus
資料名タイプ: 分類学 (taxonomic)
資料名典拠: Jones, RJ
資料名: 頭蓋骨
資料名タイプ: 一般名
備考:
- 異なる視点からコレクションにアクセスするために、資料名用語を
一つ以上記録することが望ましいかもしれません。例えば、
「マグ」と「記念品」は各々同じ資料を記述するの使うことが
できますし、「ラタス・ラタス」と「頭蓋骨」もそうです。
記録される資料名情報はコレクションの性質、要求されるカタログ作成の
深さ、コレクションでの使用法に依存します。
- コレクションの性質に従って、特有性の異なるレベルで資料名を
記録する必要があるかもしれません。例えば、より一般的な
コレクションでは資料名「椅子」が有用な識別に充分だとしても、
家具博物館では「ウィンザー・チェア」のように特定の椅子のタイプを
記録する必要があるかもしれません。
- 特定の自然科学の分類システムでは、例えばそれが属する属や種を
記録するように、標本を識別するために数回にわたってこの情報グループを
繰り返す必要があるかもしれません。また追加的な分類の詳細のために、
別の情報カテゴリが要求されるかもしれません。
別名:
標本名 (Specimen name)
一般名 (Common name)
地方名 (Local name)
分類 (Classification)
資料カテゴリ (Object category)
資料グループ (Object group)
資料タイプ (Object type)
簡易名 (Simple name)
定義:
資料または標本の形式または機能またはタイプを識別するのに使われる語。
例:
資料名: グランドファーザー時計 (grandfather clock)
資料名: Larus ridibundus
備考:
- コレクションにある類似の資料にはすべて同じ資料名を使うことが重要です。
- 自然科学の標本に資料名を割り当てる場合には、資料を説明する
一般名または簡易名 (頭蓋骨、骨など) と同様に、要求される分類の
異なるレベル (属、種など) のいずれも記録するのに、用語が繰り返される
かもしれません。
- この情報カテゴリには統制された用語を使うことが推奨されます。
統制された用語法の情報源についての一層のガイドは、序論の
"内容と用語法の統制"
のセクションを参照して下さい。
- 通常は少なくとも一つの資料名が記録されるべきです。
- この情報カテゴリは繰り返すことができます。例えば「マグ」と「記念品」
のように、同じ資料の異なる性質を示すために、一つの資料に
複数の資料名を記録することができます。
- コレクションに適切な特有性のレベルに従って資料名を割り当てること。
例えば、3つの時計が他のタイプの資料の中に含まれるコレクションでは、
「時計」の語は有用な資料名です。しかしながら、異なるタイプの時計を
区別するには、より特定的な資料名が要求されます。
- 資料のタイプをグループ化するために非常に一般的な資料名を
割り当てることができます。もし構造化されたシソーラスが使われていて、
これが自動的になされるとしてもです。例えば「家具」という語は
より狭い語として自動的に「椅子」を含むでしょう。もしシソーラスが
使われていないなら、どちらの語もわけて記録することができるでしょう。
資料名の先頭へ
定義:
記録される資料名の性質。
例:
分類学 (taxonomic)
一般名 (common name)
分類 (classification)
備考:
- この情報カテゴリには統制された用語を使うことが推奨されます。
統制された用語法の情報源についての一層のガイドは、序論の
"内容と用語法の統制"
のセクションを参照して下さい。
資料名の先頭へ
別名:
資料名情報源 (Object name information source)
定義:
資料名を特定する責任のある個人の名前。
例:
Smith, W.J.
備考:
- この情報カテゴリのために、公認された名前のリストを利用することが
推奨されます。
統制された用語法の情報源についての一層のガイドは、序論の
"内容と用語法の統制"
のセクションを参照して下さい。
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file: guidenam.htm; author: CIDOC; updated June 1995