美術館の情報化について調べました。特に情報標準やデータ標準、
また相互運用のための情報共有技術を中心にしています。
ここにある情報は網羅的なものではなく、
また古い情報がそのままになっている可能性があります。
ICOM-CIDOC | 海外の団体 | 国内の情報 | 技術資料 | 雑感
国際博物館会議 (International Council of Museums, ICOM - 日本語ページ) の専門委員会である ドキュメンテーション委員会 (International Committee for Documentation, CIDOC) は、博物館の資料情報の調査・研究を行なっており、博物館情報の国際的な標準化を 目指している。委員会はさらにグループにわかれている。
データモデルの開発はオブジェクト指向技術を利用した CRM へ移行している。
オブジェクト指向分析による概念参照モデル。 既存のさまざまな標準をむすびつけ、文化財情報の間をつなぐモデルとして CIDOC CRM Special Interest Group により開発されている。
オブジェクト指向を技術者でない人に説明するのは難しい。 その手の適切な参考文書を見つけることができなかった。 しいて挙げるとすれば オブジェクト指向分析/設計概論 あたりか。
ところで、version 3.2 の仕様の Introduction には、
The CRM is a domain ontology in the sense used in computer science.とある。Domain ontology は対象領域や専門家に依存した概念と それらの関係を表現するための語彙の体系、ということらしい (あまりわかってない ^^;)。知識ベースシステム、知識表現といった分野の用語。 日本語で読める web site としては、 大阪大学産業科学研究所溝口研究室 に資料がある。
標準化団体などが進めているプロジェクトは非常に数が多いので、 特に目を引いたものだけを挙げておく。
残念ながら国内には博物館・美術館の情報標準は今のところ存在しないようである。 また、シソーラス・学術用語集の類いもまとまっていないようだ。 以下に、美術館情報化に関係する活動の中から目についたものを挙げる。
特に注目している技術の資料。
Resource Description Framework は、メタデータ処理の基礎として Web での 情報検索・共有を容易にすると期待されている。
Dublin Core はメタデータを記述するための15の基本的な語彙を定めている。
情報の検索と返戻を標準化し、分散データベースによる検索を可能にする ANSI 標準の情報検索プロトコル。書誌情報の分野で一般化しつつある。
将来の相互運用を見越すのなら CIDOC のような国際ガイドラインを参照するのが良いように思われる。 しかしそれらの標準は基本的にアルファベット圏で作られたものなので、 日本語に固有の問題 (読みがな、異体字など) をクリアするためには いくぶん拡張が必要となるだろう。図書館方面での実践が参考になるかもしれない。
実際のシステムで RDBMS を使うなら Relational Data Model を、オブジェクト指向技術でアプリケーションを実装するなら CRM を、それぞれ利用できる。また、XML や HTML でメタデータを使う場合は Dublin Core を使えばよいし、分散データベースを視野に入れるなら The CIMI Profile - A Z39.50 Profile for Cultural Heritage Information を参照すべきだろう。
今回は美術館に固有の情報について調べきれなかったので、今後の課題としたい。