_Dazed & Confused_ はアーティストとのコラボレーションを積極的に展開するロンドンの現代文化情報誌。 今回の写真展も編集の Philip Poynter と Mark Sanders のキュレーションによる。
Sarah Lucas と Sam Taylor-Wood は 東京都現代美術館 での 『リアル/ライフ』展でも面白い作品を見せてくれた。 Sarah Lucas の股間にチキンをあてがったセルフ・ポートレイト "Chicken Knickers"(1998) といい、Sam Taylor-Wood のパノラマ的なスナップショット風ヌード "5 Revolutionary (Naked) Seconds"(1998) といい、今回も「らしい」作品を出している。
他には、Dazed & Confused のフォトグラフィック・ディレクターでもある Phil Poynter の "I didin't Recognaise You With Your Clothes On"(1998) や、動物の防腐剤漬け作品で悪名高い Damien Hirst の "Art & Advertising"(1997) もユーモアと皮肉をたっぷり盛っていて印象的。Paulo Suth の "If I Could, I Would"(1998) も笑える。
いくつかの作品には奇妙なモザイクが取り付けられている。小耳にはさんだところでは 日本での展覧会のために「自主規制」したのだとか。こういうところにも 皮肉なユーモアが表れているのだろうか。
会場におかれたガイドがわりの Dazed & Confused の東京号外には、 キュレーターの Mark Sanders のインタヴューが載っている。展覧会のタイトル "No Sex Please, We're British" は、イギリス人のセックスに対する 気恥ずかしさをからかうときに使われてきた言い回しで、その二面性がテーマとか。
一方でイギリス人の上唇を動かさずに感情をコントロールする美徳だとか抑圧された セックスとの関わりあいとかは典型的な人種偏見として世界中に知れ渡って いるけれど、同時にイギリスのポップカルチャーは正反対のイメージを世界中に 発信している。そしてそういう二面性が日本人にもあるんじゃないか、という。
礼儀正しく、真面目なのに、女子校生のパンツが買えるなんて、 否定のしようがないね。だそうなのだが、それはちょっと違うんじゃないか…?