『美術と演劇 ─ ロシア・アヴァンギャルドと舞台美術 1900-1930』 @ 横浜美術館を観た時に あまりにもロシア・アヴァンギャルドについて知らなさすぎる、と思って 多少本を読んだり([1])していたのだけれど、 折りよくこんな展覧会に恵まれた。大学の図書館の一室での展示なのでかなり小規模 だし、はっきり言って地味な展覧会だったが、わりに有名な雑誌や書籍のコレクション があって、それなりに楽しめた。
コレクションはクルチョーヌイフの著作が最も多い。『言葉そのものの宣言』('13)や
『超意味言語宣言』('21)、『レーニンの言語』('25)など。また、フレーブニコフ
との共著でゴンチャローワが挿絵を担当した『地獄の戯れ』('13/14)もある。
あるいはブルリューク他『社会の趣味への平手打ち』('12)などもあって、つくづく
「予習(?)してよかった」などと思ってしまう。
ゴンチャローワのリトグラフ『戦争の神秘的イメージ』('14)の連作なども展示して あったのだが、やはり視覚的に印象に残るのは雑誌「レフ」および「新レフ」だろう。 部分的にしかないのだが、ロトチェンコのデザインした表紙は やっぱりかっこいい。それから僕の好きなリシツキーがデザインした本やカタログも いくつかあって、これもうれしい。
しかしデザイン的な興味からは、やはりタイポグラフィーとして面白いものをもっと 観たかったという気もする。まあコレクションにはそれなりの意図があるのだから 仕方ないとは思うが。
最も忘れられないのは、やはりマヤコフスキーの死を報じる新聞だろうか。