今どき『葉隠』である。「武士道といふは、死ぬことと見つけたり」とか 読んでるのがニューヨークの殺し屋。見る前は、ありがちなカン違い映画だ としか思えない。いや、見たあともカン違いじゃないと言いたくなるわけでは 決してないのだけれど。というか、そんなことどうでもよくなる。
とにかく可笑しい。ヒップホップと伝書鳩と日本刀。
親友はフランス語しかしゃべれなくて、全然言葉が通じない。
たまたま借りることになった本が『羅生門』。
屋上で船をつくる人。しかも彼はスペイン語しか話せない。「すべて熟知」Tシャツ。
ミスマッチというか、ハイブリッドというか。
敵役のマフィアの3人組も、かなりいい味を出している。
黙ってるだけで笑えてしまう Ray、いきなり歌いだす Sonny、
突拍子もない声を出す長老。脇役の味はコメディでは重要だ。
あまり書くこともないのだけれど、いちいち細かい所まで 意表をついてくれるサービス満点の映画だった。