« 関秀夫『博物館の誕生―町田久成と東京帝室博物館』 | メイン | 何食う人ぞ »

December 04, 2005

美術情報とプログラミング

どのような勉強をすればプログラミングができるようになるのですかという質問に、「 プログラミングが「できない→できる」へデジタル的に変化するのではない。しだいにできるようになっていく。」と答えてるのを見て、うまいなぁと。僕もたまに聞かれるんですが、こう答えるのはいいですね。

最近よく思うのは、僕が関わってるような美術情報の分野(と言えるほど人はいないのですが)で、プログラミングのできる人が増えてほしいなぁということ。ま、そもそも関心を持ってる人が少ないので、とにかくまず多くの人に興味を持ってもらうことが大事なんですけど。でも一方で、時々若い人で博物館・美術館の情報化に興味があるという人に出会うのですが、プログラミングができるという人はほとんどいないんですよね。僕の場合、自分でコードが書けるからこういう研究をやりはじめたというところがかなりあるので、そういう僕からするとちょっと意外なんですけれど。

もちろん実際に何かシステムを作るというときに自分自身でゴリゴリとコードを書く必要があるわけではなくて、まあだいたい業者さんと仕様を決めて発注してって感じなんでしょうけれど。でも、うーん、プログラミングをするのとしないのとでは、全然世界が違うというのが実感としてすごくあるので、やっぱりそういう人達にはプログラミングの勉強をしてほしい、とつい思ってしまいます。それはもう、デッサンの訓練をする前と後くらい違うし、あるいは英語を読めるのと読めないのとくらい違うという感じです。文系だからとか言わず(僕だって文系だし)、ちょっとかじってみてほしいです。算数苦手でも平気ですから(笑)。

それに、自分でコードを書けないと、思いついたアイデアを軽く試してみるっていうのがすごく大変だと思うんですよね。身近に協力してくれるプログラマがいればそういう人に頼めるかもしれないけど。そうでないと、何かしらの形で予算を獲得して発注して…とせざるを得ないですよね。それかアイデアだけをとりあえず論文にして、誰かがたまたまやってみてくれるのを待つとか? でも自分でコードが書ければ、思いついたことをちょっとハックしてみるとかいうことが可能です(もちろんアイデアの内容によりますが)。僕としては、美術情報のような蓄積の少ない分野では、実際に手を動かしていかないと先に進んでいけないと思うのです。どうせ読むべき文献なんかちょっとしかないんだし。作ってみないと何もわからないんじゃないかと。だったら自分で作れるのが一番いいと思います。

というわけで、美術情報に関心のある若い人には、是非プログラミングの勉強をしてほしいです。

投稿者 ryoji : December 4, 2005 05:19 PM

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://ryoji.sakura.ne.jp/mt/mt-tb.cgi/255