January 18, 2006
本田由紀, 内藤朝雄, 後藤和智『「ニート」って言うな!』
本田由紀, 内藤朝雄, 後藤和智『「ニート」って言うな!』 (光文社新書 237, 2006年) を読んでいます。先じゃなく今読むのがいいと思えたので。そして最近著者の一人の本田由紀のもじれの日々も読みはじめたので。
つまり、もし若年層失業に焦点を当てていれば、労働需給の客観的構造自体が注目され、労働需要を刺激し回復するための方策として何が可能なのか、という方向で取り組みが勧められていたはずです。それが今や、失業者を定義上除外している日本版の「ニート」ばかりが強調され、「働こうともしていないんだから、本人が悪いんだろ」というような言われ方をすることによって、労働需要側の問題ではなく、労働供給側である若者の自己責任にすべてが還元されるような風潮が支配的になっているのです。(pp52-53)
非希望型の無業者(「ニート」という言葉で想像されているだろう層)が実はほとんど増えていないのに加えて、「希望型」の無業者、つまり働く気はあるけれど求職活動をしていない層の「求職活動していない理由」として「病気・けが」が増えているのが意外でした(p35の図2-1-2)。なんで増えるんだ…労働条件が過酷になってるの? フリーターで病気すると離職せざるを得ないから? ともかく、「働く気があるけど求職していない」とだけニート論議の中で聞くと、「やる気はあるけど…って言うけど、口だけなんじゃないの?」みたいな印象を持ちそうになってしまうので(少なくとも自分はそういう傾向があります)、こういうデータは重要と思います。この辺もうちょっと詳しく知りたいですが。
ところで wakamononingenryoku.jp ってすごいドメイン名。
投稿者 ryoji : January 18, 2006 01:16 AM
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