地道に仕事を続けている谷口文保の個展。
前回
と
前々回
に引き続いてガラスと鏡を使った作品。野菜は例によってニンジン。
今回は輪切りにしたニンジンを並べて、それが乾燥する仮定を記録した線の形に
鏡面を残したガラスを積層している。ガラスの色といい透けて見える鏡面部分の
質感といい、水面のような透明感がある。それで、不規則な輪の密集した様子から
「うたかた」と展覧会を題しているそうだ。
また、鏡面ではなくてガラス面に直接傷をつけるような形で乾燥の仮定を
点描した作品も今回は展示されている。
全然派手さはないし、かなり地味な仕事ではある。それでもやはり、 作品が少しずつ継続的に展開していく様子はそれだけで面白味がある。 客観的に評価するとか、そういうことはできなくなるかも知れないけれど。