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January 30, 2006

情報源

最近、BBC のサイトをチェックしたり、UNHCR のサイトの RSS を subscribe したりということを意識的にしているのですが、特にアフリカとか日本であまりニュースが伝わってこないところのことにできるだけ意識が向くようにしようと思ってて、でもなかなか英語を読むのも時間がかかって思うように読めてないのですが、僕は新聞をとるということをほとんどしたことがない (半年くらいとったことがあったけど) んですけど、だから10年くらい前だと世間についての情報源はもうテレビしかなくて、そういう状態を思い出しながら、今自分が使える情報源がテレビしかなかったとしたら、間違いなく今テレビで沢山放送されているニュースが世間で起きている一番重要な出来事なんだとアッサリ思い込んでしまうに違いないよなー、などと思いつつ、それはすごく恐ろしいことだ、とんでもない怖いことだ、とりあえずネットが使えて本当に良かった、という感想を持つのでした。特にこの数日間のテレビを見てると。

投稿者 ryoji : 01:47 AM | トラックバック

January 28, 2006

Greasemonky の練習 (Amazlet ツール)

FireFox も 1.5 バージョンアップしたことだし、Greasemonky で遊んでみよう、というわけで。

Amazlet ツール を使っているのですが、リンクテキストをコピペするのがおっくうで (IE じゃないので「コピー」ボタンも使えない) 、テキストエリアを1回クリックしたらテキストが選択状態になるように Greasemonky スクリプトを書いてみました。

amazletselect.user.js

いやまぁ、textarea の onfocus に this.select() を設定してるだけです。モロに Greasemonky で書いてみたかっただけって感じですが。でも面白いですねー。

投稿者 ryoji : 10:57 PM | トラックバック

徳島

昨日金曜日は、第53回デジタル・ドキュメント研究会というのに参加させてもらい、徳島に行ってきました。普段会っているような美術館・博物館の人達じゃなくて、完全にIT系の人達とお話しすることができて、とても勉強になりましたし、新鮮でした。空港から会場のジャストシステム本社 (徳島が本社とは知りませんでした) 周辺まではすごーく田舎で、これが徳島かーと思いこんでしまうところでしたが、徳島駅周辺はちゃんと街でした (をい) 。

しかし阿波おどりがものすごいアピールされてますね。あちこちに銅像とかあります。ポストの上にも。

徳島のポスト

で、今日はのんびり起きてから文化の森総合公園へ。近代美術館、図書館、博物館、文書館そして21世紀館が集まった複合施設です。

徳島県文化の森総合公園

えっと、21世紀館というのは特別な何かがあるわけではなかったです。PCの置かれた学習スペースと、展示スペース。博物館は自然系も人文系も、盛り沢山でした。出口付近に担当分野の学芸員の方の名前が一覧で出ていて「気がるに訊いて下さい」となってのが素敵でした。15人もいるし。美術館は常設を拝見。文書館は時間が足りず、見られませんでした。

投稿者 ryoji : 07:52 PM | コメント (2) | トラックバック

January 18, 2006

本田由紀, 内藤朝雄, 後藤和智『「ニート」って言うな!』

本田由紀, 内藤朝雄, 後藤和智『「ニート」って言うな!』 (光文社新書 237, 2006年) を読んでいます。先じゃなく今読むのがいいと思えたので。そして最近著者の一人の本田由紀のもじれの日々も読みはじめたので。

「ニート」って言うな!

つまり、もし若年層失業に焦点を当てていれば、労働需給の客観的構造自体が注目され、労働需要を刺激し回復するための方策として何が可能なのか、という方向で取り組みが勧められていたはずです。それが今や、失業者を定義上除外している日本版の「ニート」ばかりが強調され、「働こうともしていないんだから、本人が悪いんだろ」というような言われ方をすることによって、労働需要側の問題ではなく、労働供給側である若者の自己責任にすべてが還元されるような風潮が支配的になっているのです。(pp52-53)

非希望型の無業者(「ニート」という言葉で想像されているだろう層)が実はほとんど増えていないのに加えて、「希望型」の無業者、つまり働く気はあるけれど求職活動をしていない層の「求職活動していない理由」として「病気・けが」が増えているのが意外でした(p35の図2-1-2)。なんで増えるんだ…労働条件が過酷になってるの? フリーターで病気すると離職せざるを得ないから? ともかく、「働く気があるけど求職していない」とだけニート論議の中で聞くと、「やる気はあるけど…って言うけど、口だけなんじゃないの?」みたいな印象を持ちそうになってしまうので(少なくとも自分はそういう傾向があります)、こういうデータは重要と思います。この辺もうちょっと詳しく知りたいですが。

ところで wakamononingenryoku.jp ってすごいドメイン名。

投稿者 ryoji : 01:16 AM | トラックバック

January 15, 2006

福岡・長崎

アート・ドキュメンテーション学会の今度の年次大会(6月)は九州国立博物館が会場なのですが、その下見・打合せで金・土と福岡に行ってきました。で、金曜に九州国立博物館に行ってきました。建物デカいです。特別展も文化交流展(平常展)もたいへん充実していましたし、楽しめました。そしてついでに太宰府天満宮。参道で売っていた梅が枝餅もうまい。

太宰府天満宮

土曜は長崎へ。指定管理者制度などでも話題になることの多い、長崎歴史文化博物館へ。長崎奉行所の再現がでっかく作ってあって、ユニークです。しかもそこのお白州で毎週寸劇をやってます。お奉行さまが出てきて「そのほう……しかと間違いないか?」みたいな。展示品もいろいろありましたが、青貝細工(たとえばこんなの)で作られたフリーメーソンの箱がコワかった…。フリーメーソンの発注になるものらしく、目とかコンパスとかのシンボルが箱の蓋に青貝細工で表されているというもの。画像が見つからないのがすごい残念です。

そうそう、この博物館のすぐ裏手が長崎県立図書館なのですが、そこに「いしだたみ」という小さな食堂 (古くって、席も10くらいしかない、学食みたいな感じのとこです) があって、お昼はそこで長崎名物(?)トルコライスを食べました。安くてうまい。店のテーブルに「トルコライスの謎」と題した説明が挟まっていたのですが、何が驚いたって、その紙の隅に「引用:Wikipedia」の文字が。さすが図書館(そういうことか?)。

投稿者 ryoji : 10:44 PM | トラックバック

Hackman kettle

Hackman のやかんを購入。かわいい。

SA340008

前に使ってたやかんは、どこだか見えないんだけれど穴があるらしくて、水が漏れるようになってしまったので使えずにいたのです。結局新しいのを買うまで半年以上経ってしまいましたが、いいのが見つかって満足。

投稿者 ryoji : 10:33 PM | トラックバック

January 09, 2006

信長だけど?

東京ガスのTV-CM「ピピッとコンロ・信長」篇が最近のお気に入り。「信長だけど? 今何年? やったー、未来じゃーん」軽すぎで素敵です(西暦ですぐ通じるのかよ、というツッコミはナシで)。コンロでお湯を沸かしてる向こうに微妙に両親と覚しき人影が見えるところとか、細かくて好き。

しかし利休は出てこないほうがいいんじゃないかなー。「利休呼んでいい?」「利休?」で終わってもいいし、「呼んだ?」で声だけ聞こえて終わってもよかったのでは。まぁ、単なる好みですが。

投稿者 ryoji : 01:57 AM | トラックバック

January 08, 2006

最上敏樹『人道的介入』

以前に一度読んではいたのですが、帰省の際に新幹線の中で最上敏樹『人道的介入』を読みかえしたのでした。

人道的介入―正義の武力行使はあるか

ソマリア、ルワンダ、ユーゴなどの「介入」の事例を辿りながら、国際法の見地から「人道的介入」が合法となる条件や、武力行使を伴わない介入のあり方などを模索しています。NATOによるユーゴ空爆の事例は人道的介入としては問題が多く、モデルケースとは言えないため、あれをモデルにしてもあまり意味がないといいます。また後半では国境なき医師団を例に挙げながら武力を伴わない市民的介入や、こうした市民的介入の安全確保のための(かつそのためだけの)武力行使の可能性について論じています。基本的には、非人道的状況に対して介入が必要なことはありうるが、犠牲者の人権を保護し、迫害される人々へのアクセスを確保する活動が中心になるべきで、武力の行使は最小限でなければならず、まして加害者への懲罰は最も慎重にならなければならない、と。

大変示唆に富む内容でした。一度読んでいたのに、1971年に行なわれたパキスタンによるベンガル人虐殺のことなんて完全に忘れてましたよ…。

ところで、NATOによるユーゴ空爆について、スーザン・ソンタグがそれを支持するような発言をしていな、と思い出したので、『この時代に想う テロへの眼差し』(NTT出版、2002年)もぱらぱらと見てみると、

そうです。あまりにも多くの残虐行為を承認してきた、バルカンの戦争実行者、独裁者の動きを封じ、できれば倒す試みをするという、あの遅すぎた決定を私は支持しました。NATOが戦争をいかに遂行したか。自分たちの側の軍隊をリスクにさらさないで死傷者や損害を制限し、地上の民間の損害を最大限引き起こす、そのやり方は当時もいまも私は支持していません。(pp139-140)

何もしなければ虐殺が続く、だから軍事介入は正当だ、と。しかし引用の後半「そのやり方」の部分こそもっと焦点があてられるべきだと感じました。あの空爆を支持する/支持しない、ではなくて、「どのように」被害者を支援するのかという議論に集中するべきだったはずでしょう。そしてベオグラードを爆撃するという「懲罰」よりもコソボにいる被害者を保護するほうが優先されなければならないならば、「何もしない」かわりになしうることがあのような空爆だけだったはずはないと思わずにおれません。もちろん僕は「どんな戦争地帯にも一度も近づいたことがなく、戦闘に与したり、爆撃のもとで生活したりするとはどんなことかこれっぽっちの考えもない」(p119)ので、ソンタグのような人からすれば何も言う資格などない、ということになるかもしれませんけど。でも「見たことのないものについては、どんな立場もとるべきでない」というのは間違ってると思いますけどね。いやそれはいいんだけど、時間をおいてまたああいうことについて考えてみるというのも、必要かなと結構本気で思いました。憲法改正論議とかの中でも、80、90年代あたりの近い過去については言及されることが少なすぎるように思いますし。

そんなわけで(?)、今同じ著者による『国連とアメリカ』を読んでます。こちらについてはまたいずれ。

投稿者 ryoji : 01:06 AM | トラックバック

南直人『ヨーロッパの舌はどう変わったか』

TFJ さんにも勧められた南直人『ヨーロッパの舌はどう変わったか』(講談社選書メチエ 123, 1998) を読んでみました。

ヨーロッパの舌はどう変わったか―十九世紀食卓革命

面白い。一般的に「洋食」あるいは欧米風の食事としてイメージされているものが、欧米において伝統的だったものというより実際には19世紀末から20世紀初頭にようやく定着してきた近代的な食であって、その登場には他の様々な近代化の過程が密接に絡まりあっていることを示しています。たとえば大航海時代以来の交通手段の発達、および新世界からの新しい食材の流入、植民地とプランテーション農業、人口の変動、産業革命以後の生活スタイルの変化、加工技術の高度化、健康というイデオロギーの登場…などなど。いまの日本では「欧米風の食事に憧れる」というようなことはほとんどないでしょうけれど、ちょっと前までのヨーロッパの普通の民衆がいかに粗末な食事をしていたか、近代がいかに人間生活を豊かにし、どんな新しい問題が生まれてきたかについて、いろいろ思いをめぐらせながら読みました。うむ。昔の人が何食ってたかを知るってのは大事だと思います。いまだに「日本人は農耕民族、欧米人は狩猟民族」みたいなことを当たり前のように言う人いるからなー。あれってどこから出てきた話なんだろ? 誰か調べてないのかなー。

話がずれました。いろいろと発見があったのですが、特に驚いたのは、中世末期は結構栄養状態が良かったらしいこと、そしてその時期にはかなり肉食いまくりだったっぽいということ。この時期はペストによる人口減少で労働力が不足して都市労働者の賃金が上がり、農業も穀物栽培より牧畜のほうが(手間がかからないので)有利となって、結果たっぷり肉が食えるという状況だったようです。近代にかけて次第に人口が増えていくと肉の消費量は減少して、19世紀末から20世紀初頭にかけて、産業革命による購買力の向上や肉の流通や保存の改善を背景にしつつ、肉食が「復活」するという構図なんですね。僕はもっと直線的に肉の消費量が増えてきたのだろうとばっかり思っていたので、これには驚きました。

他にも食事のスタイルやマナーの変化、加工食品の登場など面白い話題が盛り沢山でした。こうなってくると、近代以前の日本の食事はどんなだったのかとか、近代化は中華料理にどんな影響を与えたのか(トウガラシが入る前の四川料理とか)とか知りたいですねー。とくに中華料理はすぐ4千年とか3千年とかいう言葉で修飾されるのを、んなわけねーだろと常々感じてるので、興味ありますー。

投稿者 ryoji : 12:47 AM | トラックバック

January 03, 2006

謹賀新年

あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。

年末年始は郷里の山口県山陽小野田市に帰っていました。小野田市だったんですが、市町村合併で知らぬ間に山陽小野田市になってました。そしてますます静かな町になってましたよ…。ワンマン電車のローカル線ももの寂しいです。

小野田駅 小野田駅

東京に帰る前に、山口市に寄ってきました。山口駅から少し歩いたところに、カフェ・フランクという気持ちのいいカフェがあります。山口市に行くときにはほぼ毎回ここでお茶飲んでるんですが、今回は昼食にドライカレーを。それから、クリエイティブスペース・赤れんがという、旧図書館書庫をリフォームした建物を見物に。

カフェ フランク クリエイティブスペース 赤れんが

それから、旧県会議事堂と旧県庁舎を。重要文化財だそうです。

山口県 旧議会議事堂 旧山口県庁舎

山口駅周辺は、人手が多いというわけではありませんでしたが、町としての活気が感じられました。人は少ないかもしれないけど決して寂れてはいません。うーん、周囲の市街で商店街がどんどんシャッター街化してる中で、何が違うんだろうなぁ。

投稿者 ryoji : 11:22 PM | トラックバック