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April 29, 2006
『マイ・アーキテクト ― ルイス・カーンを探して』
『マイ・アーキテクト ― ルイス・カーンを探して』 (dir. Nathaniel Kahn, 2003, USA) を観てきました (それにしても映画のWebサイトが刹那的にドメイン名とるのやめてくれないかしらん。というわけで IMDb にもリンク) 。Louis Kahn については、すぐ思い出せるのが Exter Library くらいであまり知らなかったのですが。上映してた Q-AX シネマは全席指定だということもあって早めにチケットを買ったのですが、空いてました。意外。
映画は建築家に関するドキュメンタリーというより、妻と愛人たちとその子供達にとっての父についての、また家族についての物語という風でした。あまりにプライベートな感じで、正直映画としては全然好みじゃないです。ただ、カーンと交流のあった建築家たちなどへのインタビューもあるので、よく知ってる人にはそういうのも面白いでしょう。あるいはあまり行くことができないような場所にある作品の動画が見れるのがいい、とかそういうのはあるかもしれません。でも「偉大な芸術家というものは仕事に熱中して家族をおろそかにしたりするものだ」「まともな社会生活などできなくて当たり前だ、でもそれでいいのだ」みたいな芸術家像がまたしても再生産されてるのにはもう閉口です。
映画のつくりがそうだったということもあるのですが、最後に紹介されていたバングラディッシュの国会議事堂への関わりについては興味を持ちました。ちょっと何か読んでみようっと。
投稿者 ryoji : 02:09 PM | トラックバック
April 28, 2006
デジタルアーカイブ連続講演会の最終回
去年僕もお話させて頂いた、2005年度慶應義塾学事振興資金による研究課題 デジタルアーカイブ連続講演会の最終回に行ってきました。スピーカーは東近美の水谷さんと、この研究会を中心的にやってらっしゃる慶應大メディアセンターの入江さん。水谷さんは美術図書室の話題を中心にされていました。水谷さんのお話は何度か聴いたことがあるのですが、今回も勉強になりました。でもプレゼンの冒頭と末尾が高橋メソッドだったのには驚きつつ笑ってしまいました。
入江さんのお話は、セマンティック・ウェブとかメタデータとかがいろいろなコミュニティで注目されてきてて、こういう環境になってきて図書館どうしようか、というお話。慶應の図書館は日本で唯一 Research Libraries Group のメンバーでもあって、期待も大きいんですが、その RLG の人が慶應でやった講演のことなどにも触れつつ「アカデミック・コンテンツ」というキーワードを提示されていて興味深かったです。
この研究会は図書館・公文書館・博物館・美術館の人達がメタデータをネタに話をしていくという大変ユニークなものだったと思います。僕が博物館・美術館の情報を考えるときに、例えばプレーンな XML より RDF のほうが嬉しいよね、と思うのは、ミュージアムの情報っていうのがまさに多様な連携の可能性を秘めてると思うからなんですよね。モノがあるだけじゃなく、それにまつわる論文や書籍もあるし、イベントもやるし。だから、違うドメインやコミュニティのデータと連携する可能性があるんなら是非そっちへもって行きたい。というわけで、大変ためになった研究会でした。またこういう機会があれば是非。
投稿者 ryoji : 01:03 AM | トラックバック
April 25, 2006
みなとみらい21大道芸
日曜日に、みなとみらい21大道芸を観てきました。野毛大道芸の運営が、このみなとみらい21大道芸とヨコハマ大道芸との3つになったんだそうです。天気もあまりよくなかったこともあり、野毛やイセザキモールへは行きませんでした。今回は大道芸にも詳しい嶋田さんに案内していただいたので、わりとベーシックなというか安定感のあるところを押さえてきたという感じでしょうか。
身体能力からすると、やはり中国雑技藝術団はずば抜けてました。人間技と思えない。
首同士を輪でつないで、立ってる方の女性がもう一方をぐるぐる回してます。をーっと驚いてたら、回されてる側がさらに身体の軸に沿ってギュルギュルと回転を始めるじゃありませんか。これが一番ド肝を抜かれたかも。
見えづらいですが、椅子を積上げた上で倒立。超高くてコワいです。もう見てらんない。
こちらは江戸太神楽 丸一仙翁社中。獅子舞と曲芸。曲芸はそれほど派手ではないかもしれませんが、妙にかわいらしい小技が効いてて楽しめます。金属の輪を回して「金回りがよくなる」とか升を回して「ますます繁盛」とかいちいち縁起を担ぐところとか、一つ毬に「波に千鳥」なんて名前の技があったりするところとか、なんつーか記号満載で、文化的コンテクストを共有してる感があってうれしいです。日本人そういうの好きなんだよねーみたいな。
だめジャン小出はお笑いジャグラーとのことですが、ほとんどトークが中心なような。ジャグリングもやってましたが、トークがかなりツボで、爆笑しっぱなしでした。
ほかのもすごい面白かったんですが、ひとまずこんなとこで。大道芸はまた機会を見て観にいきたいです。
投稿者 ryoji : 01:04 AM | トラックバック
April 21, 2006
メディア・アートのコミュニティ・サイト: Rhizome.org
Rhizome.org というサイトの存在を iflal art libraries section の ML で知りました。「ニューメディア・アートのコミュニティのオンライン・プラットフォーム」だそうで (カタカナばっかになってしまった)。日本では「ニューメディア」って言わないですけどね。Mission として
Our programs support the creation, presentation, discussion and preservation of contemporary art that uses new technologies in significant ways.
となってるのですが、メディア・アートの preservation でホントに何か本格的なことができたら結構画期的なんじゃないかと思うのですが、ちょっと詳しい情報が見つかりません。もうちょっと見てみよっと。
もともとはメーリングリストから始まって、NPO になり、New Museum of Contemporary Art と提携して、現在は会員制の組織になってるそうです。メディアアートの展覧会企画やジャーナリズムのほか、作家や作品についての ArtBase と、批評の TextBase という 2 つのアーカイブをメンテナンスしてるようです。あとカレンダーと job opportunity と Web Hosting …ですか。コミュニティのベースっていうからそういうものなのかもしれませんが、なんかこうなってくると、ちょっと総花的で中途半端になりそうな印象もありますが、どうなんでしょうね。
投稿者 ryoji : 12:53 AM | トラックバック
April 20, 2006
イベント情報のメタデータ
Google Calendar が話題になってるようなので、改めてイベント関連のメタデータをチェック。Google Calendar は Mac の iCal が web で使えるようになった、くらいの部分しか僕には見えてないです。(GMail 連携とかはアカウントないのでわからんです。Google Local 連携とかも良さげですが。でも GMail 連携って GMail のメッセージに追加データをつけられて、GMail で受けとるとそれを処理できて、ということですよね。MHC みたいになってると素敵なのに、とか思ってしまいました)
iCalendar が今のところ一番広く使われてるスケジュールのデータフォーマットなわけですが、独立したスケジュール専用のデータじゃなく、他の様々な情報と組み合わせてメタデータの枠組みでスケジュール情報を扱いたい、と。それで RSS 1.0 Modules: Event とか RDFical とか。ただ神崎正英さんも言っているように、RSS の mod event はイマイチっぽいところがあって、少なくとも目についたところでは RSS に スケジュール埋めこむのには RDFical のほうが使われてるように見えます (海外は未チェック)。このほか、microformats ということで hCalendar なんていうのもあるんですねー。小文字の semantic web なのはわかるんですが、これそんなに嬉しいかなぁ。でも、簡単な HTML なら書けるよ、という人があまり特殊なシステムを使わずにメタデータを出せるという意味では注目していいのかも。えーと、すごい具体的に思い描くなら、美術館のサイトで学芸員が管理してて、weblog ツールみたいなのを使ってるにせよ使ってないにせよ多少は HTML を書く必要があるっていうとこは結構あると思うんですよね。で、そこに microformats でメタデータ手書きってのは案外アリなのかも。いや、もうちょっとマシに、イベント情報を入力するとテンプレートに従って実際のページを出力するみたいなツールを使ってる場合でも、iCalendar とか別に出すよりは microformats のほうが断然楽だろうな、とは思います。
でもいずれにしろ、エンドユーザが (スケジュールソフトとかに取り込むとかして) 直接役に立てられる形式っていうと今のところは iCalendar だと思うので、やっぱりイベント情報を何らかの形でデータとして提供するなら、まずは iCalendar なんでしょうね。
ちなみに bloc は iCalendar だけでなく RDFical でも出力してくれますね。でも RDFical ってどれくらい使われてるんだろ? そしてどのように? 気になります。Tokyo Art Beat は RSS をいろいろ出してくれてるのはいいんだけれども、スケジュールデータは無し。せっかくちゃんとしたデータがあるんだから、RDFical とか埋め込んどいてくれれば iCalendar にして取り込めるのにね。超残念。
投稿者 ryoji : 12:20 AM | トラックバック
April 11, 2006
Garry Kasparov インタビュー
週末なんとなくかけっぱなしにしてた BBC Radio から Garry Kasparov へのインタビューが流れてました。Garry Kasparov は皆さん (て誰?) ご存知の、あの史上最年少で世界チャンピオンになったチェスプレイヤーです。チェスのことはあまり知らない僕にとっては、むしろ Deep Blue と勝負した漢 (おとこ) として印象に残っています。
現在はチェスを引退して執筆と政治活動をメインにしているようです。インタビューの中ではユダヤ系のロシア人という自己のアイデンティティなんかについても語っていて興味深かったです。あとなんか、ネット対戦のチェスを Anonymous でやることがあるらしくて (センスを失わないため、と言ってました)、「負けたりする?」との問いに「もちろん、負けることもある」と答えてたのが妙に可笑しかったです。
うー、もっと英語をちゃんと聞きとれれば…。文字で読みたいです…。
投稿者 ryoji : 11:38 PM | トラックバック
April 08, 2006
ルッコラの花
去年植えて、夏中食べまくったんですが、その後放置してたら見事に越冬しまして。そんですっかりとうが立って花が咲いてます。今年も植えよう。
投稿者 ryoji : 10:40 PM | トラックバック
MOT の podcasting
今ごろになって言及するのもアレですが、東京都現代美術館のサイトに Mot The GUIDE や Mot The RADIO として Podcasting で聞けるようになっていますね。ようやく聞いてみました。わりとちゃんと番組っぽく作ってあって、これは作るの大変そうー。でも音声ガイドが館外でも聞けるのはいいですね。僕は展覧会場で音声ガイドを聞くことは普通ないのですが (耳がつかれて作品に集中できないので)、展覧会の帰りの電車とかで聞くとよさそうな気が。
こんなにちゃんと作りこめなくても、ギャラリートークとかひょいと軽く録音して Podcasting するとことか増えるといいですね。んー、でもちょっと音が聞きづらいとかあるとすぐ文句言われたりするのかな。Web ページでも、どこの美術館でも字が小さいって言われるみたいだし。いろんなことがもっと軽くできるといいんですけどねー。
投稿者 ryoji : 04:48 PM | トラックバック
April 05, 2006
Stefano Mazzocchi 「メタデータの品質について」
Stefano Mazzocchi の「メタデータの品質について…」という文章を翻訳してみました。一貫したメタデータをもったデータセットでも、それらを組合せると低品質なメタデータになってしまう、という問題について述べています。結局、どうにかして典拠ファイルをうまく作る必要があるということではあるんでしょう (そしてライセンス重要)。問題はどうやって作るか、というかメタデータ作成と典拠作成をどうフィードバックさせていくかってことと、そういう「社会的」な努力がセマンティック・ウェブ界隈はもっと必要なんじゃないかという。でも "I know FRBR and I know it gets way worse than this,..." というのはよくわからないです。FRBR は解決にならないの? そういえばバーチャル国際典拠ファイルってどうなってるんだろう?
ええと、この Stefano Mazzocchi という人は、Simile プロジェクトの作った firefox 拡張 Piggy Bank (RDF のブタさん貯金箱。面白そう、今度試そう) や最初期の Apach Cocoon プロジェクトにも関わってた人なんですね。それに他にも Clay Shirky の Ontology is Overrated: Categories, Links, and Tags に反応して Folksologies: de-idealizing ontologies という文章を書いてたりして、とても勉強になるのです。たまにさりげなく CIDOC CRM に言及したりするし。
ちなみに Shirky の文章については日本語の解説がありますね。それとこれに対しては Clay Shirky's Viewpoints are Overrated とか Market populism in the folksonomies debate とか批判も結構あるようですが。
投稿者 ryoji : 01:31 AM | トラックバック
April 03, 2006
Flickr CreativeCommons Photo Search
面白かったらしい JavaScript のチュートリアルのスライドを見てたら、flickr にある CreativeCommons ライセンスの写真を素材として結構使っていて、あーなるほど CC licesed な素材集としての Flickr っていうのも使いであるなぁと。でも flickr のサイトに用意されてるインターフェースだと、キーワードで cc ライセンスなものを探すのがやりにくいので、flickr cc search なんて作ってみました。
なんか、これも探せば誰かがもっとちゃんとしたの作ってそうな気がするんですが…。
(って試しに今また探してみたらこんなのが。でも結局は微妙に違うけど) えーと、これ作るのに僕で2時間弱くらいです (いちいちサーバにアップしながらテストして)。慣れてる人ならもっとずっと短時間でできるでしょう…つまり、API が整備されてさえいれば、下手すると探すより作ったほうが全然早いという。すごい状況ですよね、これって。