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December 30, 2005

livedoor PICS と Flickr

livedoor PICSflickr そっくりになって、話題を呼んでますね。確かに、これはヒドい。恥ずかしくないのかなぁ?

確かに、著作権法上は、サイトデザインは著作権保護対象になりません。
でも、だからといって、成功して輝いているオリジナルをまんまパクッて涼しい顔して良いものでしょうか?
- 小鳥ピヨピヨ(a cheeping little bird): livedoorがmixiに引き続きFlickrにインスパイアされすぎた件について

僕は心情的にはこういう感覚に近くて、ヤダなーと思うのですが、そういう人ばかりでもないようで。

そうそう、「Flickr みたいのがほしい」んじゃなくて「Flickr がほしい」んですよね。この戦略は正しい気がするなぁ。
- livedoor PICS: Yet another Flickr clone: blog.bulknews.net

むー。でも、こういうのが当たり前で正しい戦略ということになってしまうと、新しいデザイン・より良いデザインを作るインセンティブはどうなってしまうのでしょうか…。それに、どの業界でもあること、という人もいますが「あること」だから「悪くない」というのは誤謬ですよね。法的には問題ないんでしょうが、少なくとも褒められたことではないでしょう。

本題と関係ないですが、「インスパイアされる」と言うべきことろで「インスパイアする」と言う人が時々いて気持ちわるいです。

投稿者 ryoji : 11:16 AM | トラックバック

December 29, 2005

仕事納め

昨日が仕事納めでした。

ちょうど、公開のサイトを再開して weblog ツールを導入したのも1年前。早いなぁ。東京国立博物館での仕事もちょうど1年ということになります。うー早い。今は招聘型任期付研究員ということで3年の任期で働いてるので、もう1/3が過ぎたことになります。まぁ、一応は成果を外部に出したりしましたし、学会などでもお話しする機会も今までより格段に多い1年ではありました。あとなんか名刺がすぐなくなる! しかし、うーん、なんというか、プレッシャーが大きくなりつつあるような…。もうちょっと気を楽にして過ごしたいものです。

博物館・美術館の情報公開とか情報共有について、自分には割にはっきりしたイメージがあるんですが、そういうイメージを人に伝えるのが案外難しいといなぁ、という実感をこの1年で持ちました。それぞれの人が思い描いてるのと、やっぱりちょっとずつズレているわけで、それは当たり前なんですが、何もイメージを持ってない人に話すよりズレたイメージを持っている人に話すほうが伝わりにくいような気がします。

特に最近感じるのは、図書館方面の人と微妙に話が通じづらい、ということ。図書館情報学はすごくしっかりしたバックグラウンドがあって、歴史もあって、独立した学科もあちこちの大学にあります。だけど図書館の人達は、図書館での情報共有とかのイメージをすごく強くもっているので、博物館・美術館でも同じような感じで情報共有やなんかをやるものなんだろうと (無意識的にであれ) 思っているのではないかなぁ、と話をしていて感じることがあります。場合によっては、図書館のやり方は「正しく」て、博物館でもそうする「べき」と思ってらっしゃるのでは? という印象を受けることも。例えば図書館の目録規則は、規則に従えば誰が書いても同じ目録がとれるということになってますが、博物館・美術館ではそれはまず目標にできないし、個人的には目標設定としても正しくないと思っています。えーと、この辺の話はまたいずれちゃんと考えようと思います。

いろんな研究会やら勉強会やらに参加して、懇親会なんかにも顔を出して、いろんな方々と話す機会が増えたのもよかったですね。まぁ、必ずしも元気が出るような会ばかりではないですが。いやなんか、ともすると「だから日本の美術館はダメ」とか「日本の学芸員はダメ」とかいうウラミ節になることが多くて、そういう話にはほとほと倦んできてしまって…。そんなこと言っててもしょうがないのにね。「ああしなければならない」「こうするべきだ」ということを言う人は多いのですが、それを実現するために「こうすればいいのでは?」と言えるようになりたいし、そういう人が増えてくれるといいなーと思います。そんでそれに対して「いやそれはこうだからダメだ」じゃなくて「さらにこうすればより良いのでは」と言える人が増えてほしい。自分も含めて。うん。前向きに、前向きに。

あれーなんかちょっと暗いめ? でもちゃんと、すごく充実した1年でしたよ。自分の専門の研究にかなり専念できましたし。同僚の人達からは、ものすごく色んなことを教えてもらってるし。これまでちゃんとできてなかった勉強もしてるし。コードだってもりもり書いてるし。

この1年は僕にとって blog の1年でもあったわけですが。ネットを通じて知りあった人達とまた交流できて嬉しいです。新たに知り合うことができた人もいてスバラシイです。あと自分が自作スクリプトで掲示板をやってたころとは、格段に環境が違っていて、いやほんと便利になったなー、なんてオッサンぽく思ってみたりします。こんな経験ができることに感謝です。

別に今年のまとめというわけでもないですが、休みの日らしく書きちらしてみました。

投稿者 ryoji : 09:48 PM | トラックバック

天然記念物は文化財

教わって驚いたこと。天然記念物って、文化財保護法で保護されてるんですって。知らんかったよ。文化財保護法の対象って人工物と無形文化財だけだとばっかり思ってました。まぁ、史跡・名勝はわかりますが、天然記念物が記念物という枠で史跡・名勝と一緒とは。それに天然記念物って、活断層のようなものも含まれるんですね。へぇー。その文脈では、オオサンショウウオも文化財ということかー。

投稿者 ryoji : 12:43 AM | トラックバック

December 28, 2005

大阪

大阪に行ってきたので、ついでに観光してきました。

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まず万博記念公園で「太陽の塔は思ってたよりずっとデカい」と認識を新たにしつつ、国立民族学博物館へ。昼食もレストラン「みんぱく」で。常設展でしたが、ものすごい数の展示品で、ちょっとくたびれました。

南天苑

その日の宿は、ちょっと大阪から離れて天見温泉の南天苑へ。ここは、東京駅で知られる辰野金吾の設計によるものだそうで、もともと堺にあったものを昭和初期に移築したものだそうです。登録文化財。まあ、案外普通に昔風の温泉旅館という感じでしたが、のんびりできました。しし鍋もうまかったし。

住吉大社

翌日はまず住吉大社へ。明るい神社です。住吉社独特の様式も面白い。

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で、海遊館。たまたまですが、館の外の通りに仮設の柵が設けてあって、すぐそばでオウサマペンギンを見ることができました。すごーいラッキー!近くで見るとやっぱ鳥だー、とか。意外と目がおっきくてキレイ、とか。もちろん最大の魚類、ジンベイザメも堪能しました。

遊びすぎで、帰ったときにはもうぐったりでした。

投稿者 ryoji : 12:20 AM | トラックバック

December 24, 2005

「アート&テクノロジーの過去と未来」展 @ ICC

つづいて、「アート&テクノロジーの過去と未来」展 @ ICC を観てきました。「ビデオひろば」や実験工房などの資料は、なかなか見る機会がなかったので、貴重でした。でもビデオは、立ったままゆっくり見る気になれず。もうおじさんなので。

よく知らなかったんですが、佐藤慶次郎の作品がわりと好みでした。あと江渡浩一郎「Modulobe」、クワクボリョウタ「fluid」がわかりよくてよかった。藤幡正樹「脱着するリアリティ」と「トルソ」「禁断の果実」は、実を言うと現物見るのは初めてだったんですが、さすが説得力あるなー。それにしても、ちょっと思ったのですが「この作品なんなんだろ?」と思ってキャプションを読んだときに、前置きが長いとイライラしてしまいますね。んで、気づくとキャプションの2、3段落目くらいから「この作品では」という文字列をサーチして、その周辺だけ拾い読みしてるという。うーむ、なんだか…。

帰りに受付で聞いてみると、やはり今回の展覧会の後は何も予定がないようですね。次の展覧会の予定については「お答えできません」とのこと (困らせてすみません、受付の人)。いつまでそうなのかも不明のようで。結局何のアナウンスもしないまま無期限休業に入るということですよね…。僕は ICC は応援したいですよ。でも、ちょっとひどくないですか? 社会的責任とかどうなんでしょうか? 署名に応じた人達には説明はあったんでしょうか(ご存知の方いらしたら、ポインタ教えてほしいです)? お休みの間、コレクションは死蔵されるということでしょうか。

いやホント、なぜ「しばらくお休みします。再開時期は未定です」くらいアナウンスできないのでしょうか…。謎です。

投稿者 ryoji : 01:16 AM | トラックバック

『吉村順三建築展』 @ 東京藝術大学大学美術館

『吉村順三建築展』 @ 東京藝術大学大学美術館を観てきました。カンバンでかっ!

吉村順三建築展

いやー、すごく施工の大変そうな展示でした。吉村順三については、あまり知らなかったのですが、なんというか、住んでみたいなーと思わせる趣味のいい住宅建築が多かったですね。モダンなデザインで、かつ落ちついている。亀倉雄策や猪熊弦一郎の住宅も手がけていたのも興味を引かれました。いいないいなー、ああいう家に住みたいなー。

図録が完売だったのが残念! あと建築系の展覧会って、いかにも建築やってそうな人の割合がすごく高いですよね。今回もそんな雰囲気の展示室内でした。

投稿者 ryoji : 12:09 AM | トラックバック

December 22, 2005

美術館のデータベース2選

美術館のデータベースはできるだけ覗いてみるようにしてるんですが、その中から2つ。まずはSmithsonian | Freer & Sackler Galleries。ここはコレクションのデータを検索・閲覧できるだけでなく、ユーザ登録するとeGallery に自分で作品リストを作れます。ユーザ層があんまり想像できないんだけれども…。でも学校の先生が教材の準備したりするのにはいいかもしれません。んー、いやー、やっぱこういうのは、1館のコレクションではものたりないですよねー。がんばります(あれ?)。

もう一つは、The Metropolitan Museum of Art。ここは、その包括的なコレクションを使って、Timeline of Art History、つまり美術史年表を作ってしまうという。すげー。コレクションのデータベースと、年表と地図、それに解説文を組合せてて、これはかなり効果的という気がします。

美術館の所蔵品データベースって、僕はまずは「専門家の役に立つものが先」という考えですけど、ちょっとそういう順序を置いておくとすると、一般向けのサービスを考えるときに難しいのはやはり見せ方ですよね。検索できますったって、何検索していいかわからないってことも多いでしょうし。ブラウジングに適した見せかたの工夫というのは、あまりできているところは多くないと思います。そういう意味で参考になる2例でした。まぁ、アイデアとしては別に変わったものではないと思いますが、ちゃんと出来てるってことが大事ですしね。

投稿者 ryoji : 01:32 AM | コメント (1) | トラックバック

December 21, 2005

IFLA Art Libraries Section の CFP

IFLA の来年のソウル大会にあたって、Art Libraries Section からもCall for Conference Papers IFLA/WLIC Seoul, Korea, 2006が出ています。プロポーザルの締切が1月20日って、うーむ、近いですね…。誰か日本から出さないかしらん。

投稿者 ryoji : 12:25 AM | トラックバック

December 19, 2005

MetaCRM

CIDOC CRMworking draft のページに、MetaCRM というもののドラフトが。全然フォローできてないうちにこんなものが。うーむ、なんじゃこりゃ。

The "CIDOC MetaCRM" is a proposal to support categorical and cross-categorical information, as it appears characteristically in ethnology, natural history, archaeology and other sciences, by systematic logical derivation of metaclasses and metaproperties from the CIDOC CRM.

うむー。E55 Type が CIDOC CRM の中で特殊で、事実上メタクラスになっているというのは仕様にも書いてあったことですが、そのあたりを使って categorical information を扱う枠組みを考えよう、ということでいいのかな? あるクラスのインスタンスがどんな種類のものか、っていうと、OOPでは普通はそのクラスが種類を表してるみたいに考えると思うのですが、そういうのとの関係がいまいちわからないなー。

CIDOC CRM では Activity クラスのサブクラスに Acquisition (受入)とか Move (移動)とかがある。ある出来事が Acquisition のインスタンスなら、それは Acquisition という種類の出来事。だけど受入にもいろいろあって、購入とか寄贈とか借入とか出土とか発見とか、そういう categorical な情報がある。「購入」とか「寄贈」とかでそれぞれサブクラスを作るのは (理由ははっきりわからないけど) たぶん間違い。そしてこういう categorical な情報ってのは、CIDOC CRM を現実世界から見た場合、ほとんどすべてのクラスについてありそうな話で、そのあたりのサポートってこと、だと思うんだけど、あってるかなー…。

でもちょっと、ムツカシすぎるよー。人工知能とか知識処理とかやってる人じゃなきゃわかんなくない?

投稿者 ryoji : 12:18 PM | トラックバック

December 18, 2005

『ドイツ写真の現在』 @ 東京国立近代美術館

『ドイツ写真の現在 ― かわりゆく「現実」と向かいあうために』 @ 東京国立近代美術館を観てきました。最終日にしては空いてて、しっかり観ることができましたよー。ちょっと寂しい気もしますけど。Bernd & Hilla Becher と Wolfgang Tillmans 以外の出品作家は全然知らなかったので、新鮮でした。Michael Schmidt の新聞などからとられたイメージとの組み合わせで見せていた作品『統・一』などは、展示の仕方によってかなり印象が違いそうですね。あと Beate Gutschow の一見普通の風景写真のように見えて実は合成しまくり、という作品も興味をひかれました。他の作品も観たいなー。

と、『アウグスト・ザンダー展』のほか、常設展示もあらためてざっと。横山大観の「生々流転」の特別公開、岸田劉生「道路と土手と塀(切通之写生)」は、少し前に『講座 日本美術史(3) 図像の意味』で読んでたりしたので、あらためてじっくりと。うーむ、みっちり描いてある…。あとあと、あら? っとなったのが安井曾太郎の「金蓉」で、修復されてました。ずいぶん印象違うなー。

投稿者 ryoji : 09:45 PM | トラックバック

December 17, 2005

東大の建物

人文科学とコンピュータシンポジウムに引き続き行ってきて、昼休みが妙に長かったので会場の東京大学を見物。で、気になったことが。

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なんか低いとこから建ってる建物が多いんですよね。外を人が歩いてる地面より、1階ぶんくらい掘って(?)あって、そこから建ってるので、まわりになんか堀のようなというかなんというか、空間つーかスキマがあるんです。こういう建て方のって、まあよくあると思いますが、東大の構内の建物にはこれが妙に多いような気がしました。何か理由があるんでしょうかね?

投稿者 ryoji : 10:44 PM | コメント (2) | トラックバック

じんもんこん2005

人文科学とコンピュータシンポジウム(じんもんこん)での発表が終了。しかーし、自分の発表は時間配分が全然なってなくて失敗…。ちとみっともなかったなぁ(涙)。明日2日目も面白そうな発表があるので、引き続き出席してきます。

投稿者 ryoji : 12:19 AM | トラックバック

December 11, 2005

エリック・フリーマン他著『Head Firstデザインパターン―頭とからだで覚えるデザインパターンの基本』

デザインパターンの勉強をもうちょっとやっといたほうがいいかな、と思っていたところに、邦訳が出たので購入。

Head Firstデザインパターン―頭とからだで覚えるデザインパターンの基本

楽しく読めます。デザインパターンについては、以前にも本を読んだりしたことはあったのですが、血肉になってないんですよね。本で読んで理解できても、また使う時になったらちゃんと読みなおしてコードを書いてみよー、なんて適当な態度だったんです。でも結局いつがその「使う時」なのかわかってないじゃん、ということに気づきまして(遅いよ)、改めて。勉強するなら楽しい本がいいよね、ということで。この本の良いところは、わかりやすいんだけど浅くはない、というところ。それに読んでる自分の思考の流れを適度に先読みされてるような感覚があって、考えながら読めます。

投稿者 ryoji : 10:41 PM | トラックバック

Venta Luftwäscher

"Wasser ist der Filter" (水がフィルターです) というのがキャッチコピーの、Venta 空気清浄器付き気化式加湿器がウチに導入されました。

Venta Luftwäscher

見た目がかわいいです。フィルターがないのでメンテナンスが楽というのがいいですね。内部にカルシウムが付着したり雑菌が繁殖したりしないようにする専用の薬液を入れかえながら使う必要があるので、それだけがちょっと面倒かもしれませんが。さっそくセットアップ♪と思って水を入れるために開けてみたら、すげー単純な構造でびっくりしました。これなら頑丈そう。

製品本体ではないですが、さすがドイツ製品、と関心したのは梱包材が非常に分別しやすかったこと。アメリカの製品なんかだと、ダンボールがばんばんホチキスどめされてたり、発泡スチロールがダンボールに接着剤で貼りつけられたりしてて、かなりイヤな感じです。今回は、ダンボールには一つのホチキスもなく、材料が違う梱包材どうしが接着されてるなんてこともありませんでした。みんなこうなってると楽だなー。

投稿者 ryoji : 10:16 PM | トラックバック

December 07, 2005

研究方法論の抽象化

メモ。美術史であれ、美術批評であれ、というか美術に限らず、ある領域の研究には複数の方法論が歴史的に展開されてきてるのが普通なんだと思うのだけれど、そういう様々な方法論について横断的に分析した研究を探してちょっと勉強してみたい。横断的というより、抽象化かな。いろんな方法論を抽象化すると共通の枠組みが出てきたりするものなのかなぁ、とふと思った。そうすると、いろいろな方法論に共通する基盤とか、要素的な技法とかが見えたりしないのかな。うーんと、コンポーネントとかフレームワークとかデザイン・パターンみたいな? 個々の要素というのではなくて、構造として見えないとあんま意味ない気がするけど。

何言ってるのか自分でもよくわからないですが…。でもきっと何かあるよね。誰かやってるハズ。でもどうやって探そうかな。

投稿者 ryoji : 01:11 AM | コメント (2) | トラックバック

December 04, 2005

Google で引掛った pdf が怖い件について

PDF が引っ掛ると、同じ字がたくさんにならんでたりして、怖いです。響いてます。

投稿者 ryoji : 09:16 PM | トラックバック

何食う人ぞ

「食を旅する -世界の食文化ー」という図書リストを発見。『とんかつの誕生―明治洋食事始め』とか『コーヒーが廻り世界史が廻る―近代市民社会の黒い血液』とかを楽しく読んだのですが、食べ物の本は次に何読もうかな、と思ってたので、嬉しい。

投稿者 ryoji : 06:25 PM | コメント (2) | トラックバック

美術情報とプログラミング

どのような勉強をすればプログラミングができるようになるのですかという質問に、「 プログラミングが「できない→できる」へデジタル的に変化するのではない。しだいにできるようになっていく。」と答えてるのを見て、うまいなぁと。僕もたまに聞かれるんですが、こう答えるのはいいですね。

最近よく思うのは、僕が関わってるような美術情報の分野(と言えるほど人はいないのですが)で、プログラミングのできる人が増えてほしいなぁということ。ま、そもそも関心を持ってる人が少ないので、とにかくまず多くの人に興味を持ってもらうことが大事なんですけど。でも一方で、時々若い人で博物館・美術館の情報化に興味があるという人に出会うのですが、プログラミングができるという人はほとんどいないんですよね。僕の場合、自分でコードが書けるからこういう研究をやりはじめたというところがかなりあるので、そういう僕からするとちょっと意外なんですけれど。

もちろん実際に何かシステムを作るというときに自分自身でゴリゴリとコードを書く必要があるわけではなくて、まあだいたい業者さんと仕様を決めて発注してって感じなんでしょうけれど。でも、うーん、プログラミングをするのとしないのとでは、全然世界が違うというのが実感としてすごくあるので、やっぱりそういう人達にはプログラミングの勉強をしてほしい、とつい思ってしまいます。それはもう、デッサンの訓練をする前と後くらい違うし、あるいは英語を読めるのと読めないのとくらい違うという感じです。文系だからとか言わず(僕だって文系だし)、ちょっとかじってみてほしいです。算数苦手でも平気ですから(笑)。

それに、自分でコードを書けないと、思いついたアイデアを軽く試してみるっていうのがすごく大変だと思うんですよね。身近に協力してくれるプログラマがいればそういう人に頼めるかもしれないけど。そうでないと、何かしらの形で予算を獲得して発注して…とせざるを得ないですよね。それかアイデアだけをとりあえず論文にして、誰かがたまたまやってみてくれるのを待つとか? でも自分でコードが書ければ、思いついたことをちょっとハックしてみるとかいうことが可能です(もちろんアイデアの内容によりますが)。僕としては、美術情報のような蓄積の少ない分野では、実際に手を動かしていかないと先に進んでいけないと思うのです。どうせ読むべき文献なんかちょっとしかないんだし。作ってみないと何もわからないんじゃないかと。だったら自分で作れるのが一番いいと思います。

というわけで、美術情報に関心のある若い人には、是非プログラミングの勉強をしてほしいです。

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