September 19, 2008

ベネッセハウス

さて、丸亀から電車を間違えて瀬戸大橋を渡ってしまったものの、なんとか岡山側からフェリーで直島まで移動できました。直島のフェリー乗り場から、初日の宿泊場所のベネッセハウス・ミュージアムまでバスで移動。部屋は Sol LeWitt の作品があるので選んだのですが、眺めもとてもいいし、バスルームからも海が見えるという贅沢なつくりでした。

バスで移動しながら、途中にある小中学校や、ちょっと変わった役場の建物、本村周辺の民家の様子などが見えました。来る前は、「島」というイメージからもっとさびれかかった雰囲気を何となく想像してたのですが、全然そんなことはなくて、むしろ元々結構経済的にも豊かな島のように感じられました。ベネッセハウスがあるエリアは南側なのですが、ちょうど反対の北側には三菱マテリアルの精錬所があるんですね。あとで家プロジェクトを回ったときに地元ボランティアの方が「この島はベネッセとかよりも、もともと三菱でもってるようなものだ」というようなことをおっしゃっていました。確かに三菱マテリアルのサイトにある年表を見ると、1917年にはすでに三菱の中央精錬所として設立され、翌年には反射炉の創業が開始されています。と、いま年表を見ていて気づいたのですが、1918年に「粗銅産出月300T産開始」とあります。旅行の3日目には犬島に行ったのですが、こちらも銅の精錬所ですが、銅価格の暴落により1919年には操業を停止しているんですよね。三菱の精錬所は暴落を乗りきったということなんでしょうか。このあたりの事情がもっとわかると面白そうです。


さて、ベネッセハウス・ミュージアムは美術館にホテルがついているような、ホテルに美術館がついているような、不思議な施設です。いずれにせよ今回泊まってみて思ったのは、これはここに泊まって美術館を楽しむのがやはり良いな、ということ。周囲も含めてここは完全にいわゆるリゾート地になっているわけですが、リゾートで休養をとるという体験のなかに美術がある、という枠組みで見るのが、素直というかストレートな楽しみかたのように思います。部屋で休んだ後も夜遅くまで作品が見られるとか、そういったところまで含めてのアートサイトという気がします。

館内の作品では、やはり杉本博の写真が屋外の壁面に展示されているのが驚きでした。こんな所に写真作品を置くなんて、もういつダメになっても構わないということですよね。なんという贅沢。しかし明い陽光の中で海の風景と一緒に見る杉本の水平線には、確かに他では味わえない感覚があります。もう一つ気に入ったのはジェニファー・バートレット (Jennifer Bartlett) の《黄色と黒のボート》。海岸に黄色と黒のボートが描かれた絵画と、その絵画の前に置かれたやはり黄色と黒のボートの実体が組合された作品なのですが、実は野外の本物の海岸にも、やはり同じボートが設置されているんですよね。こういう作品はわりと好きです。

またミュージアムから小さなモノレールで上にあるオーバルという宿泊施設に上がれます。こちらには泊まらなかったのでもちろん中は見られませんが、建物を見るだけでもなかなか面白かったですよ。楕円形の開口部から見える空も、その真下にある水もすがすがしいし、開口部の上にまわれば芝生が敷いてあったりして、とても凝ったつくりでした。


2日目と3日目に泊まったのは、ちょっと離れた場所にあるパーク。こちらはロビーやラウンジに作品がありますが、ほぼ完全にホテルですね。使った部屋には李禹煥のリトグラフがかかっていました。部屋からビーチが見え、その手前の開けた場所にニキ・ド・サンファールなどの彫刻があります。ニキの彫刻って、こういう所にあるととても表層的に見えるというか…。あと草間彌生のかぼちゃの所には、いつも人が集っていました。


食事もよかったし、部屋も居心地よかったです。あと部屋にはテレビがないんですよね。普段結構テレビをつけっぱなしにしてることが多かったのですが、テレビがないとそれだけでとても静かに過ごせるのだ、ということに嫌というほど気づかされました…。

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September 15, 2008

金刀比羅宮と丸亀市猪熊弦一郎現代美術館

金刀比羅宮は琴平駅から歩いて向いました。下からでも山の中腹に旭社と本宮の屋根が見えて、結構上のほうだなーと思いながら登っていったのですが、実際歩いてみると遠いのなんの…。天気もよかったので、汗だくになって登りました。本宮まで登ると、とても眺めのいい開けた場所になっていて気持ちいいです。神社にドンヨリ系とサワヤカ系があるとすれば(謎)、こんぴらさんはサワヤカ系の典型だと思います。金色のお守りがズラっと並んでたりするのもきれいだし。あと、ここは海の神社でもあるんですね。船や漁師の関係の絵馬なんかが沢山ありました。面白い。あと何故か聞き覚えのある「シュラシュシュシュ♪」ってここの民謡だったんですね。

帰りは、資生堂パーラーで一休みしてから下りました。普通なら目当てのはずの書院の円山応挙も高橋由一も今は作品がないので見られませんでした。別の機会があればまた是非来たいと思います。


次に行ったのは丸亀市猪熊弦一郎現代美術館。谷口吉生の設計であることでも有名な美術館で期待していったんですが、最初におどろいたのは駅のすぐ前にあったこと。ほんとに駅を出たらすぐにあるんですよ!そこがまず何よりも素晴らしいと思いました。いやあ、美術館はこういう場所になくちゃいけません。街から離れた場所の美術館って、それが良い場合もあると思いますけど、日本でももっと街のど真ん中に美術館があるべきだと思います。

建物の空間は、明るくてひろびろとした開放感のあるもので、自由な雰囲気の猪熊の絵とよく調和しています。ほんと、こういう美術館が近所にあるなんて、丸亀の人たちがうらやましいです…。

企画展はピピロッティ・リスト (Pipilotti Rist) 「ゆうゆう」。なんか JR と協力して「JR四国の6000系電車車内に、ピピロッティ・リストがいたずらをしかけました!」とのことなのですが、時間が合わず、残念ながら見られませんでした。電車にしかけ、というと昔ジェニー・ホルツァーが水戸芸でやったときにスーパーひたちにメッセージを出してたのを思いだしましたが、ピピロッティ・リストはどんなことをしたのか、非常に気になったのですが…。

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September 14, 2008

香川・直島めぐり

9月10日から3泊4日で香川県に旅行してきました。忘れないうちに旅程をメモ。

9月10日
香川空港からバスで琴平へ。金刀比羅宮にお参り。書院の応挙も高橋由一館の由一作品もギメに行ってて無かった…。次の機会には是非。うどんを食べて、次に丸亀市猪熊弦一郎現代美術館。それから高松からフェリーで直島に渡るつもりが、乗る電車を間違えてしまって瀬戸大橋を渡ってしまいました(ひどい)。で、そっち側から直島までフェリーで移動。一泊目はベネッセハウスのミュージアム。大好きなソル・ルウィットのリトが掛かった部屋でした。

9月11日
港近くの小さな小さな「ふじ食堂」まで出ていって朝食。戻ってすこし休んで、ミュージアムの作品を拝見。それから野外作品を見ながら地中美術館へ。その後ぶらぶらと2日目以後の宿泊をするベネッセハウスのパークへ。こっちの部屋には李禹煥のリト。散歩などしてゆっくり過しました。夜はこちらのレストランで洋食。

9月12日
朝食をとってから、小型船で犬島へ。犬島アートプロジェクトの見学ツアーに参加しました。暑かった。午後は直島に戻って家プロジェクトを鑑賞。夕方、残りの野外作品を見ながらミュージアムへ移動、和食の夕食をとりました。

9月13日
チェックアウト後、ミュージアムのカフェで軽い朝食をとり、港へ。高松までフェリーで移動して、まずうどん。バスでイサム・ノグチ庭園美術館。高松までもどって空港へ。


わりと盛り沢山だったと思いますが、日程的には余裕がありました。個別の感想などはまた。

投稿者 ryoji : 06:40 PM | トラックバック

January 17, 2008

アメリカ議会図書館が flickr に写真を公開

flickr に LC のページができてます。3000枚ほどを試験的にやるようですね。個々の写真には、結構きちんとしたディスクリプションがついてる。さすが。

Library of Congress Photos on Flickr (Prints and Photographs Reading Room, Library of Congress)

たしかに沢山の人にタグをつけてもらうとか、コメントをつけてもらうとか、Flickr のクラスタのなかに組み込んでみるとか、面白い試みですよね。ある程度運用したところでレポートを読んでみたいです。

投稿者 ryoji : 10:06 PM | トラックバック

March 12, 2006

ユニクロのCMに東博

東京国立博物館は雑誌などの撮影で施設を利用されることがよくあるのですが、いまユニクロテレビCMに本館の正面入口から大階段が使われていますね。って、自分もテレビを見てて「わ、東博だ」と初めて気がついたのですが。テレビなので、わりと皆さん見る機会があるかなと思ってご紹介。

投稿者 ryoji : 04:05 PM | トラックバック

March 10, 2006

今後のICC

2月からここのところずっと忙しくしてたので気がつきませんでしたが、NTT ICC が「今後のNTTインターコミュニケーション・センター(ICC)の活動について」というプレスリリースを2月2日に出していますね。もうだいぶ経ってしまいましたが、これまでに何度か話題にしてきたので (1, 2, 3)、一応フォローアップ。休館してから一ヶ月以上経ってからのプレスリリースは、やはり遅すぎるとは思いますが。

しかし「活動見直しの背景」が

このように,ICC活動に深く関わりをもつ情報通信技術やその利用環境がICC設立当初より大きく変化していることから,ブロードバンド&ユビキタス時代に対応した活動内容への見直しの検討を進めてきました.

っていうのは…そういう話だったっけ? まぁ、この辺はしょうがないんですかね。

いずれにしても、「存続になってよかった」と思えるような活動を期待したいです。

投稿者 ryoji : 01:07 AM | トラックバック

February 02, 2006

Museum Handbook

Museum Handbook: Publications of the Museum Management (NPS) という本が全部 PDF でオンラインで読めるんですね。これは、

It is a reference guide on how to manage, preserve, document, access and use museum collections.

だそうで、ぱっと目次を見た感じでもかなり広い範囲を扱っています。保存修復、危機管理、モノの扱い、建物と設備、教育、複製、展示、貸借、記録管理…などなど。ほんとに広いなぁ。

投稿者 ryoji : 02:54 AM | トラックバック

January 15, 2006

福岡・長崎

アート・ドキュメンテーション学会の今度の年次大会(6月)は九州国立博物館が会場なのですが、その下見・打合せで金・土と福岡に行ってきました。で、金曜に九州国立博物館に行ってきました。建物デカいです。特別展も文化交流展(平常展)もたいへん充実していましたし、楽しめました。そしてついでに太宰府天満宮。参道で売っていた梅が枝餅もうまい。

太宰府天満宮

土曜は長崎へ。指定管理者制度などでも話題になることの多い、長崎歴史文化博物館へ。長崎奉行所の再現がでっかく作ってあって、ユニークです。しかもそこのお白州で毎週寸劇をやってます。お奉行さまが出てきて「そのほう……しかと間違いないか?」みたいな。展示品もいろいろありましたが、青貝細工(たとえばこんなの)で作られたフリーメーソンの箱がコワかった…。フリーメーソンの発注になるものらしく、目とかコンパスとかのシンボルが箱の蓋に青貝細工で表されているというもの。画像が見つからないのがすごい残念です。

そうそう、この博物館のすぐ裏手が長崎県立図書館なのですが、そこに「いしだたみ」という小さな食堂 (古くって、席も10くらいしかない、学食みたいな感じのとこです) があって、お昼はそこで長崎名物(?)トルコライスを食べました。安くてうまい。店のテーブルに「トルコライスの謎」と題した説明が挟まっていたのですが、何が驚いたって、その紙の隅に「引用:Wikipedia」の文字が。さすが図書館(そういうことか?)。

投稿者 ryoji : 10:44 PM | トラックバック

November 03, 2005

ICC、続報ないの?

前に話題にした、ICCが閉館するかもしれないという話ですが、その後どうなったんでしょうねぇ。存続のための署名を集めていたようですが、集った署名はその後どうなったんだろう…。僕は結局署名というか協力しなかったんですけどね(メールも直接きたわけじゃないし、ウラがとれないなーと思ってるうちに、そのままにしてしまいました)。東京新聞の記事が8/15で、それより後の情報が見つかりません。公式サイトにも、依然として何もなし。ただ、開催中の展覧会より後のスケジュールが載ってないことがわかるだけです (今の時点で予定が決まってないなら、1月からの展覧会なんて出来るわけないけど)。プレスリリースだって展覧会の広報があるだけ。ICC Forever! というブログができてましたが、直接 ICC と関わりがあるわけではなさそうです。

ART iT の記事の後、ひょっとして雑誌記事とか、紙メディアには何か出てたのかしらん…。でももしそうなら、それで Web に何もないってのは、そりゃひどすぎだよ、と思います。噂ばっかり流れてる。それに本当に「まだ決まってない」なら、閉館の時期と言われてる2006年3月というのは近すぎですよね。もう半年もないのに、まだ公式な発表がないわけだから。コレクションやアーカイブの処理はちゃんとできるんでしょうか。活動を総括したドキュメントは出せるんでしょうか。2001年3月に『ICC documents 1997-2000』が出たきりなので、なくなる前にこれの続きは出してほしいなぁ。

でもまさか、このまま何も言わず黙って消えるってのはないよね? 今の展覧会が終わる12/25日までには何かあるんでしょ? 緊急シンポジウムとかなんかそういうの。 予定されてるトークイヴェントだけやって終わるつもりなんてこと、まさかまさか、ねー? 閉館の話をちゃんとどこかするはずだよね? ね?

投稿者 ryoji : 09:18 PM | トラックバック

October 28, 2005

2.0でどうだろう?

「デジタル・アーカイブ」と言わないようにしてると言った舌の根も乾かぬうちにアレですが、「2.0」って言ってみたらどうだろう、とふと思ったのでした。「デジタル・アーカイブ2.0」。

ある程度普及してる言葉を使いつつ、今までとは違う点をうまく強調できればいいんじゃないかなぁと。案外自分のもってるイメージとか、考えを整理する機会にもなるかも。でも、うーん、軽薄ですかね。「2.0ならなんでもよかった」っていうんでもないですけど。

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October 14, 2005

デジタルアーカイブ連続講演会 @ 慶應大

2005年度慶應義塾学事振興資金による研究課題 デジタルアーカイブ連続講演会でしゃべってきました。博物館のための概念参照モデルCIDOC CRMについて、博物館の資料の特殊性などを交じえながら。図書館の人たちとは、やはり結構感覚が違うので、いろいろと勉強になりました。図書館の目録管理はとても歴史があって、方法論が確立してるし、目的も明快だし、あのノウハウはもっと活かせるはずだと思いました。ま、逆に過去を引きずってるところもあるようですが。今後の講演にもできるだけ行って勉強させてもらおうと思ってます。次回は EAD ということで文書関係の人の話が聞けるので、楽しみです。

ところで準備にあたって、以前書いた文書を読みなおしたりしたんですが、間違いとかけっこうあるなぁ…時間をみつけて手を入れないと…。

しばらくきちんとフォローできてなかった感もある CIDOC CRM でしたが、4.0 の仕様をちょっと読んでみました。いつのまにか Entity が Class になってるし。その方が僕には馴染みやすいですけど。それはともかく、講演の中でも言ったのですが、CIDOC CRM の話が出ると、どうもいつも似たような誤解をされてるように思います。ひとつは、「ISO 標準になったら JIS になる、そうなったら否応なくこれを使わないとならない。だけどこんな難しいもの学芸員には理解できない。さあどうするんだ」という反応。ISO 標準になったからといって、そんな強制力がどこからか働いてくる、ということは僕にはちょっと考えられません。なんでそんな黒船来襲みたいな印象持つ人がいるんでしょうか…。それから「こんなに細かいデータなんか作れない。非現実的だ」という話。でも「何をデータとして作るべきか」については CRM では何も触れていません。だから使う情報をどうモデリングするかってときに参考にすればいいだけなんですけどねー。それに実際調べたらすぐ分ると思いますが、どうせクラスはあれじゃ足りないです。拡張しないと。

でもともかく、あれはいわば分析ツールなのであって (だから参照モデルって言ってる)、実装はひとまず置いて考えないと、おかしなことになります。でも、博物館の視点での分析としては非常にしっかり行なわれているので、現実のシステムを設計する段階では非常に役にたちます。思うに、資料だけでなく、業務についても同じような分析ができれば、それはそれで使いでがあるんじゃないでしょうかね。

投稿者 ryoji : 11:30 PM | トラックバック

October 08, 2005

ミュージアムのハリケーン被害と復興

ハリケーン「カトリーナ」と「リタ」によるミュージアムの被災状況と復興の情報が、American Association of MuseumsHurricane Recovery Information にまとめられていました。

投稿者 ryoji : 10:34 PM | トラックバック

September 22, 2005

デジタルアーカイブ連続講演会

2005年度慶應義塾学事振興資金による研究課題 デジタルアーカイブ連続講演会の第2回、神崎正英「セマンティック・ウェブとコミュニティの連携」でした。RDF や OWL の概論的な内容だったのですが、僕のヘタクソな質問にも丁寧に答えて頂き、とても参考になりました。博物館資料のような物のデータにつける識別子が悩ましいのですが、と聞いたら tag:スキームなどはどうか、と教えていただきました。コミュニティ内でどんな識別子をつけても、そこで合意ができてればあまり心配しすぎる必要はないのでは、とのこと。勉強してみます。

投稿者 ryoji : 10:19 PM | トラックバック

September 20, 2005

2005年度慶應義塾学事振興資金による研究課題 デジタルアーカイブ連続講演会

2005年度慶應義塾学事振興資金による研究課題 デジタルアーカイブ連続講演会の第1回、土屋大洋「クリエイティブ・コモンズの活動紹介―Some Rights Reservedと表示する意味―」に行ってきました。あらためて Creative Commons のまとまった話を聞くよい機会になりました。

次回は明後日、なんと神崎正英さん。僕も来月話すことになってるんですが、そんなシリーズで僕なんかがしゃべって大丈夫なんでしょうか…。準備しなきゃー。きゃー。

投稿者 ryoji : 11:47 PM | トラックバック

July 25, 2005

ICC閉館の可能性

小耳に挟んではいたのですが、学芸員の四方さんから各方面に送られているらしいメールが、いくつかの Blog に転載されています。

ATAK | diary
Ruelog: ICC存続支持のお願い

ICC の公式サイトには何も出ていないようですが、転載されている本文によると、存続支持や意見のメール送付を求めているようです。スポンサーの NTT も私企業ですから、財政的に無理があるのであればやむを得ないのかもしれません。もちろん、これだけメディア・アートに絞ってはっきりとした性格づけのある施設は他にないので、私も可能なら是非存続してほしいとは思いますけれども (友人・知人もずいぶんお世話になっていますし)。しかし個人的には、文中の

またICCはコレクションを保持しており、活動のドキュメントやアーカイヴも含めこれらをいかに保管し長期的にアクセス可能にするかという問題も出ています。スポンサーであるNTT日本は、これらを公共的な財産として未来につなげていく大きな社会的責任を荷っています。

というのが一番気になるところです。

事情は違いますが、芦屋市美術博物館の問題もまだ決着がついていないようです。うーむ、なんとなくいろんなところで言われてますが、今後もさらにこうした危機を迎える館が出てくるのかもしれません…。

投稿者 ryoji : 10:41 PM | コメント (1) | トラックバック

July 05, 2005

指定管理者制度

博物館の図書室の7月3日分より。

司書は自分が今整理していることや行っていることが、100年後も博物館に残っていることを疑わずに仕事をしてきましたが、ここが揺らぐというのはなかなかきついものです。

博物館の人達は、100年後のこととかって、わりに本気で心配してます。それが必要な場なんですよね。それとその少し前、

美術関係でフリーキュレーターと名乗っている人たちがいるのは知っているけれど、そういう人は学芸員とは違うように思う(司書の感覚だけど)。

これは僕の感覚でもそうです。館職員としての学芸員はモノの面倒を見てる人達、というイメージが強いので。

指定管理者制度そのものについては、自分はあまりにもわかってないので直接コメントできませんが、しかしそんなことではダメですね。ちゃんと調べとこう。

投稿者 ryoji : 01:15 AM | トラックバック

June 14, 2005

VRA: Cataloguing Cultural Objects

今年の2月に Visual Resources Association という団体が Cataloguing Cultural Objects (CCO) のドラフトを出していますね。yet another standard 、なのか? しかし疲れててまともに英語読めないので、ひとまずメモ。

投稿者 ryoji : 11:14 PM | トラックバック

May 11, 2005

MDA Spectrum がダウンロード可能に

MDA (Museum Documentation Association) はイギリスで博物館ドキュメンテーションを推進している団体で、そこが出しているドキュメンテーション標準の SPECTRUM というのがよく知られてます。この SPECTRUM が 3.0 になったのを機に、なんとダウンロードできるようになってます(以前は冊子体のものを購入するほかなかった)。ダウンロードしてみたんですが、PDF で 360 ページもある…。目を通すのも大変だこりゃ。

投稿者 ryoji : 04:14 PM | トラックバック

April 15, 2005

スケジューラ

paint/note での bloc についてのエントリより

理想は登録してある美術館やギャラリーのサイトの更新読取って、スケジュール部分を勝手にリスト化してくれるような形なんだけど、流石に無理か。

そうなんですよねー。RDFカレンダー -- iCalendarとRSSによるイベント情報の公開と活用 で書かれてるようなことを実際にやれると、本当に便利だと思うのですが。なんとかならんもんか。bloc に似たサービスで英語だと Upcoming.org とかあるけど、こっちは API が公開されてるので、その気になれば主催者側で登録を自動化(自サイト側でイヴェント情報を blog ライクなツールで処理してしてるとして、その更新時についでに Upcoming.org に POST するとか)することはできそうですが。でも RSS みたく置いといて誰かがそれを拾って aggregate するほうがいいよね。

投稿者 ryoji : 11:12 AM | コメント (4) | トラックバック

April 03, 2005

perdurant派とendurant派

CIDOC CRM SIG の ML で martin さんが[crm-sig] Have endurance!を投稿。日本語で何か言いかたがあるのかしらないけど、つづくメールで N. Crofts さんが

Briefly put, endurance is the "common-sense" view that the identity of an object remains fundamentally unchanged over time, whereas the perdurance view is that persistant identity is an illusion created by summing together a succession of temporal instants - existance is like a series of frames from a moving film. (I suppose that one could trace this debate back to Herclates originally.)

といってるように、存在物の永続性についての2つの見方ですね。モノの identity は永続的で変わらないのか、あるいは永続性は幻想にすぎないのか、っていう。博物館情報的にはアレですな、ミイラをヒトあつかいすんのかモノあつかいすんのかっていう。そりゃもうモノあつかいでいいと思うんですけどね。ツタンカーメンのミイラは、かつてツタンカーメンという人だったんだけど、今はミイラでもあると(変質した)。ヒトとしては名前とか出生地とか生没年とかあるわけで、モノとしては展示歴とか収蔵場所とかの情報、ひょっとしたら評価額なんて情報もあるのかもしれない。そのミイラはツタンカーメンそのものなのか? 死体は人なのか? ミイラの材料がツタンカーメンという人の肉体だったと考えるのか? とかね。あんまり抽象度上げたままで考えてると、使えるものが作れなくなってしまいます。だから適当に切りあげて実用上困らない程度で手をうつのがいいと思います。ちなみに CIDOC CRM ではいちおう変質があつかえる格好にはなってます。

投稿者 ryoji : 02:16 AM | コメント (2) | トラックバック

March 29, 2005

中国国家図書館的数字化工作

漢字文献デジタル画像化に関する事業促進検討会 - デジタルメディア・コンテンツ統合研究機構/DMC Keio Universityというのに行ってきました。

で、中国国家図書館ですよ。いろんな資料のデジタル化プロジェクトをやってるそうなのですが、これがすげえ。まず数が桁ちがい。そりゃそうなんですが、ものすごい量です。紹介されてたプロジェクトとしては、拓本のデジタル化 (Dublin Core を使ってる)、西夏文献総合地方誌、そして国際敦煌プロジェクト。古典籍のデジタル化にあたっては、モデルやカタログ・ルールの策定も行なったとか。

投稿者 ryoji : 01:26 AM | トラックバック

March 27, 2005

Banksy のいたずら

A Wooster Exclusive: Banksy Hits New York's Most Famous Museums (All of them)

有名美術館に自分の絵をこっそり置き逃げ犯の手口ときっかけ | Excite エキサイト : ニュース

NYの美術館に自画持参、名作の間にちゃっかり展示

これを権威に対する挑発的なイタズラと見るなら、美術館が一本とられちゃいましたね、とか、この行為自体がアートだ、とか言ってしまえるのかもしれません。でも美術館はたくさんのお客さんが来るところです。もし Banksy がただのイタズラ犯じゃなくて、こっそり飾られたものに危険物でも仕込んであったら…と思うと、笑って済ませられない事件です。

投稿者 ryoji : 10:30 AM | トラックバック

March 21, 2005

福岡県立美術館の状況

昨日の地震について、福岡県立美術館のサイトには、はやくもお知らせがでてますね。

大規模な被害はありませんでした。

とのことで、良かったです。安全確保のため、しばらく休館になるようです。

投稿者 ryoji : 02:24 AM | コメント (2) | トラックバック

March 19, 2005

愛知県美術館の資料アーカイヴ

愛知県美術館が資料・アーカイヴズとして近現代作家についてのアーカイヴと、瑛九および藤井達吉についての各種資料を公開していますね。zip をダウンロードしてローカルで使う形で、ブラウザで見るようになってます。

投稿者 ryoji : 02:35 PM | トラックバック

DCMI Period で時代を表現してみる

DCMI Period Encoding Scheme で時代を表現してみる。

<!-- 平安時代 -->
<Period name="平安時代">
	<start>794</start>
	<end>1192</end>
</Period>

<!-- 11世紀 -->
<Period name="11世紀">
	<start>1001</start>
	<end>1100</start>
</Period>

<!-- 昭和 -->
<Period name="昭和">
	<start>1926-12-25</start>
	<end>1989-01-08</end>
</Period>

<!-- 昭和50年代 -->
<Period name="昭和50年代">
	<start scheme="和暦">昭和50年</scheme>
	<end scheme="和暦">昭和59年</scheme>
</Period>

例えば「奈良時代から平安時代」や「6世紀から8世紀」のような、 期間から始まって期間で終わるという表現は…うーむ、

If a non-numeric encoding is used then matching is maximally inclusive: i.e. if a start component is expressed as a named era then the interval being identified starts at the beginning of the era, and conversely for an end component the interval ends at the end of the named era.

ということなので、start にも end にも名前による時代をいれていいみたいだ。 (name は IMPLIED なので省略) たとえば、

<Period>
	<start scheme="時代">平安時代</start>
	<end scheme="時代">奈良時代</end>
</Period>

いや、scheme="時代" は適当すぎると思うけど。 でも

In this context the name is non-normative

ということなので、start に「平安時代」を指定したからといって 最初の例と自動的に結び付けられるというわけにはいかなさそうだ。 DTD では start も end も PCDATA なので、むしろ例えば

<Period>
	<start scheme="DCMI Period">
		<Period name="奈良時代">
			<start>710</start>
			<end>794</end>
		</Period>
	</start>
	<end scheme="DCMI Period">
		<Period name="平安時代">
			<start>794</start>
			<end>1192</end>
		</Period>
	</end>
</Period>

とかやってもいいのだろうか?(scheme="DCMI Period" っていうのは適当) これでいいなら、わりと自由にいろんな scheme を使えそう。 それとも scheme をちゃんと決めてやったほうがいいのか?

どっちにしろ、結果的に次のように解釈されればいいわけだ。

<Period>
	<start>710</start>
	<end>1192</end>
</Period>

ふむ。

さてここまでは同じ scheme を使う表現だったけど、「複数の期間の重ね合わせ」を 表現したい、ということが文化財関係ではごく普通にある。 例えば「江戸時代」で「19世紀」とか。この場合、最終的には、

<Period>
	<start>1801</start>
	<end>1867</end>
</Period>

のように解釈されればいい。

For multiple disjoint intervals, repeated instances of DCMI Period may be used.

という説明があるけど、これは「互いに離れた期間」ということだろうから、 「10世紀と18世紀」みたいなときに使う話だ。 だから複数の Period 要素を併記したときには和がとられるはず。

<Period>
	<start scheme="時代">江戸時代</start>
	<end scheme="世紀">19</end>
</Period>

としたくなるところだし(19世紀のほうは見易さのため適当に)、

it is possible to express different components using different notations if desired.

というわけで文法的にも間違ってはいないのだけれど、 これはダメで、なぜなら前にも引用したところに、

If a non-numeric encoding is used then matching is maximally inclusive:

ということなので、この例だと

<Period>
	<start>1603</start>
	<end>1900</end>
</Period>

と解釈されてしまうはず。70年くらいの幅のつもりが300年の幅になっちゃう。 それに前後がない場合はどうすんだとか(江戸時代で18世紀とか、平安時代で10世紀とか)、 えーとつまり、積をとる方法がないから困るわけだ。

もし時代の表現に DCMI Period を使いたいなら、単純な期間 (両端が W3C-DTF で表現できるような)なら問題ない。 両端が期間でもあるような場合、論理和がとられるということになる。 複数の期間の論理積を使いたい場合には、先にアプリケーション側で (W3C-DTF とかの形で)切り出してやらないといけない、ということになる。 でもそれなら、最初から W3C-DTF だけを使うのとたいして変わらない。 XML とかに出力するアプリケーションがそれぞれで W3C-DTF に変換してしまうと、 そいつらを集めて使う時にもともとどう書いてあったかわからなくなってしまう。 すると、昭和元年も大正15年も 1926 年になってしまって、 順序が決められないし、集めてきてから「昭和で検索」とかできなくなってしまう。

さらに、Period の問題ではないけれどもう一つ困るのは、推定された年の表現だ。 「1800年頃」の「頃」ってどうするんだ?

というわけで、文化財情報で時代・時期を表現するためには、

といったものを扱える必要があるだろう。 このうち最後の 2 つが DCMI Period では扱えないので、その辺は考えてやる必要がある。 その上で、構造化した表現と人間が読むための字面を機械的に 相互変換できないのであれば、表示用の文字列を別にもつことになる、のかな。 (EAD なんかだと標準化した書き方は attribute としてもってて、タグの内容に表示用というか人間用の記述があるみたい。RLG Best Paractice Guidelines for Encoded Archival Description とか参照。)

探せばどこかに全部の条件を満たすようなのがあるのかしらん?

ちなみにここでは年のことしか考えてません。日付のことは完全に無視してます。 そこまでやりだすとものすごい大変なことになりそう。

投稿者 ryoji : 02:22 PM | トラックバック

March 17, 2005

Object ID のライセンスが ICOM に

ICOM News ネタをもう一つ。Object ID: an international standard for describing artは文化財の盗難や不正な取引に対抗するために開発された、文化財を特定するための標準です。盗難や不正取引に対処するためには美術や文化財の専門家だけでなく、警察、保険関係者、税関などなどが協力していく必要があります。こういう状況では、物品の特定のためにできるだけ単純な方法が必要で、Object ID では Checklist をその手段として提供しています。

去年のソウル大会では、もともと Object ID を開発していた J. P. Getty と ICOM の間で非排他的な利用について合意したようです。ということで、Object ID の trademark を使いたければ ICOM から許諾をとるということになるようです。

投稿者 ryoji : 01:06 AM | トラックバック

March 16, 2005

博物館災害援助

ICOM - Disaster Relief for Museums

少し前から、スリランカ沖地震と津波被害について ICOM がまとめサイトを作っています…が、よくわかっていない所が多いようですね…。関連する ICOM の出版物リストなどは、今後の役にたつかもしれません。タイからのレポートなども読んでおこうと思います。

投稿者 ryoji : 12:17 AM | トラックバック

March 14, 2005

美術館にアートを贈る会

という会があるんですね。前にテレビでルーヴル美術館の特集をやってたときに、ルーヴルには「ルーヴル友の会」というのがあって、そこがかなり寄贈してる、って話が出てたのを思いだしました。

『美術館にアートを贈る会』を考える

投稿者 ryoji : 12:23 AM | トラックバック

March 13, 2005

こわれものの略語の上に

CIDOC CRM が ISO DIS を通過した話題で、RLG の Tony Gill が「ついでに言うと、CRM はちゃんとメンテされてない他の様々な標準に対する興味深い counterexapme だ」と発言して、こんな記事を紹介してました。

James Michalko: "Building on fragile acronyms"

投稿者 ryoji : 11:00 PM | トラックバック

March 11, 2005

CIDOC CRM が ISO DIS を通過

国際博物館会議のドキュメンテーション委員会(ICOM CIDOC) の SIG が開発したThe CIDOC CRMは、ISO標準のプロセスを進めてきていたのですが(TC46/SC4 - Information and documentation/Technical interoperability)、DIS (国際規格原案) の投票が終了し、反対票がなかったということで、最終国際規格案を経ず、直接これから発行プロセスに入るというニュースが ML で流れました。えー、つまり、正式に ISO 標準になったほぼなりそう、ということです。

すばらしい!たった一度ミーティングに参加したっきりですが、こういうプロセスにちょっとでも参加できたことを、あらためて嬉しく思っています。

文化遺産情報のData ModelとCRM

CIDOC CRM については翻訳が出ています。それと僕も概要を紹介する文章を書いたことがあるので、参考まで。

投稿者 ryoji : 11:14 PM | トラックバック

March 06, 2005

準備

来週末の発表の準備がー。

とりあえず「字を大きくする」ことは決めたのですが…。話を面白くしたいとは思うのですが、難しいですねー。詳細は捨てて、なるだけ言いたいことをハッキリわかりやすく言うために、ちょっとバカっぽくなってもいいかな、とか思ってるんですが。主張そのものはとてもシンプルなので、ストレートにやりたいなぁ、と。でも学会なのに、あんまりアレだと「何当たり前のこと言ってんだ」とかならないかとか、小心者的心配がわいてきます。あー。

投稿者 ryoji : 11:31 PM | コメント (2) | トラックバック

March 02, 2005

独立行政法人国立美術館・所蔵作品検索(試行版)

国立美術館の所蔵品検索システムの試行版が公開されてます。

本システムは、独立行政法人国立美術館の4つの美術館が、概ね、 平成14年度末(2003年3月末)までに収蔵した所蔵作品の総合目録を 検索するものです。一部に準備中のものがありますが、下記「掲載状況」 から収録件数をご確認いただけます。

すげえ。画像は著作権が切れてないものが多いらしく、そんなに沢山は見られませんが(東京、京都は近代美術館だからねー。国立国際も近現代だし)。約22,000点ほどの作品が収録されてるとのこと。西洋美術館国立国際はそれぞれのサイトでは所蔵品の検索ができないみたいなので、ここだけが頼りですね。英文もほとんど付いてるようですし、充実してます。

著作権の問題で画像が出せないのは仕方ないとして、冊子体の目録は出版されているので、「どの目録に載ってるか」がわかると素晴しかろうと思います。芸大美術館DBはそういう設計にしました。Webで画像が見られなくても、掲載目録と目録上の番号がわかってれば、あとはまあ図書館にでも行ってくれれば、冊子の目録には写真載ってますよ、ということで。
あとあれですね、個人的な感覚っていう部分になりますが、インターフェースはあまり好きじゃないかも…。もうちょっとこう、プリティな方が好みなので。

投稿者 ryoji : 11:07 PM | トラックバック

February 27, 2005

研究会

アート・ドキュメンテーション研究会 第45回研究会で、しゃべります。

コレクション・ドキュメンテ-ションの系譜を定着させるために
-日本のミュージアムの中での使命と技術を考えるー

美術館・博物館への情報システムの導入が活発化していく中で、アート・ドキュメンテーション研究会では、これまでに3回、コレクション・ドキュメンテーションについての研究会を開催してきました。

今回の研究会では、その中で語られてきた諸問題、とりわけシステム以前の問題点について再確認するとともに、コレクション・ドキュメンテーションの必要性や重要性を、この分野に関心を持つ人々だけではなく、美術館・博物館界の全体や市民社会に、どう広げていけば良いのかについての知恵を語り合う会にしたいと考えます。美術館・博物館の内外を問わず、出来るだけ多くの「理解者」を育て、そのネットワークを広げていくことの第一歩となることを期待したいと思います。

僕は「美術館における資料情報システム」として芸大美術館のデータベース開発の経験から考えたことを話す予定です。開発やってる人とかドキュメンテーションやってる人だけでなく、美術館に関心のあるいろいろな人に興味を持ってもらえるような話をしたいと思っています。特に、僕が芸大美術館のデータベースでやろうとしたことが「バーチャルミュージアム」とか「高精細画像アーカイブ」とかとどう違うか、山形浩生風に言えば「アレじゃございません」的な話ができれば、と思ってます。
参加は無料ですが、事前の申し込みが必要なので、もし聞いてみたい人がいらっしゃったら研究会のページからメールで申し込みをどうぞ。

投稿者 ryoji : 01:31 PM | コメント (1) | トラックバック

February 22, 2005

和暦コード発生システム

東大の史料編纂所和暦コード発生システムなるものが。アルゴリズムもコードの意味もわかりませんが…(推測はできますが)。でも閏月をはさんだりするやり方って他でもときどき見ます。なんか標準的なソリューションってないのかしら。

参考:
W3C-DTF
プログラミングと暦
Yet Another Date Class
DCMI Period Encoding Scheme
Humdrum Toolkit Representation Reference - Time Period

投稿者 ryoji : 05:39 PM | コメント (2) | トラックバック

February 21, 2005

考古学替歌

考古学替歌集より。

(速見優「夏色のナンシー」で)
土器かなyes!  土器じゃないyes!
石かなyes!  石じゃない
土を掘るたび  気分もゆれる
そんな年頃ね

ウケた。

投稿者 ryoji : 01:08 PM | コメント (1) | トラックバック

February 11, 2005

検索結果がシラバスだらけ

博物館学関係の用語とか、分野の呼び方とかで検索すると、大学のシラバスばっかりが引っ掛る。あー、誰も何も Web には書いてないんですかそうですか。それか、制度と資格があるがために大学でやってる所は多いんだけど、大学の授業以外の場であんまり展開されていないということなのか…。

投稿者 ryoji : 01:00 AM | コメント (1) | トラックバック

February 09, 2005

DC Agent

Dublin CoreAgents Working Group というのがあるらしい。で、そこに Functinal Requirements for Describing Agents のドラフトがあった。まだまだこれからという感じらしいけど。

投稿者 ryoji : 04:42 PM | トラックバック

OAI-PMH

OAI-PMHのNIIメタデータ・データベースへの適用について

Open Archives Initiative Protocol for Metadata Harvestingについての情報と、NII のプロジェクトについて。OAI-PMHもよく知らないので、まずは日本語で読んでおきたい。

投稿者 ryoji : 01:42 PM | トラックバック

名称典拠

典拠についていろいろ。やはり図書館方面には歴史があるので、参考になりそうなものがいろいろある。

IFLA はMandatory Data Elements for Internationally Shared Resource Authority Recordsというのを 1996 年に出している。それから Structures of Corporate Name Headings というのも 2000 年に出ている。2001 年には Guidelines for authority records and references (PDF) が。

また OCLC 方面では Virtual International Authority File というプロジェクトがあるらしい。

それと美術関係は、もちろん、Union List of Artist Names が。どーしてこういうのが日本でできないかなー。

投稿者 ryoji : 12:16 AM | トラックバック

January 28, 2005

型式学

ものといきもの――進化学会シンポ「非生命体の進化理論2」参加記より。

大量に出土する考古資料に相対年代を与える方法として用いられているのが、型式学(typology)である。

へーへー。考古学では遺物の分類なんかが一分野になってるっぽいですね。生物分類の方法論も調べてみるといろいろあって結構面白いんですが。博物館と情報、というテーマでやってるので、分類にはちょっと関心を持たなくちゃと思ってるんです。で、図書と生物については方法論の概要くらいはかじってたのですが、うーむ考古学にもそういうのがあるんですね。不勉強でした。

投稿者 ryoji : 01:03 AM | トラックバック

January 22, 2005

スリランカの図書館

IFLANETから、Sri Lanka - Images of Libraries after the Tsunami。津波被害の後の図書館の様子。その他の情報も徐々にまとめられつつあるようです。

投稿者 ryoji : 12:56 AM | コメント (1) | トラックバック

January 09, 2005

須恵器

東京国立博物館が去年リニューアルしてから行ってなかったんですが、中の人になったのに展示観てないのはマズかろう、というわけで平常展示を観てきました。確かに以前に比べて明るく、親しみやすい構成になってます。

特集展示もいろいろあるんですが、中でも須恵器の展示が自分としては最強でした。「装飾付き須恵器」っていうらしいんですが(ちょっとおとなしめのデザインですが、例えばこんなの)一つの器が枝分かれして、その上にさらに皿がついていたりするっていう(「子持ち」と呼ぶようです)、奇妙奇天烈です。イソギンチャクがニョキニョキ生えてるみたいで、なんというか、これがズラっと並んでいる様はかなり SF 的というか、地球のものとも思えない雰囲気でした。『へんないきもの』の帯にあった「どうしてこんなに変なのか」が頭の中をぐるぐる回ってましたよ…。

投稿者 ryoji : 02:18 PM | コメント (2) | トラックバック

January 03, 2005

IFLAの緊急アピール

スマトラ沖地震による津波災害を受けて、IFLAが_Urgent appeals for help for tsunami affected countries_を出してます。

投稿者 ryoji : 05:01 PM | トラックバック

ICOM Code of Ethics for Museums

イコムの倫理規定が2004年版として改訂されてますね。去年のソウル大会には結局行けませんでしたが、一応ちゃんと読んでおこうかな。

投稿者 ryoji : 03:39 PM | トラックバック

December 29, 2004

魚類データベース

ちょっと前だけど、ミュージアム・マーネジメント・フォーラム 2004国立科学博物館の人が、 データベース の話をしていて、これが結構面白かった。 日本産淡水魚分布データベースでは、内部的には細かいデータがある場合でも、表示にはあまり細かく出せないというのだけれど、その理由が絶滅危惧種の保護だというのだ。 あまり詳細に場所の情報を出すと、実際とりに行っちゃう人がいるらしい。 で、絶滅危惧種だけフィルタすればいいかっていうとそうはいかなくて、 周囲にいる他の魚や水草や昆虫とのカップリングで割りだすことができるから、 結局絶滅危惧種以外のデータから絶滅危惧種がいそうな場所っていうのが わかってしまうそうだ。で、結局すべて粗いデータしか出せないのだそうだ。

もう一つこの話で面白かったのは、 魚類写真資料データベース。こんな記述がある。

魚の写真をこのデータベースに登録してみませんか
魚の写真はとても役に立ちます。水中写真はもちろんのこと、釣った魚や網で採った魚の写真 も大変貴重な情報です。
提供頂いた画像は神奈川県立生命の星・地球博物館の画像資料として登録され、同博物館の規程に基づき博物館活動の様々な場面(研究、展示、教育、インターネット上での公開など)で活用されます。

こんなかたちでいろんな人から写真を提供してもらってるという。 んで、それぞれの写真には撮影者の名前がちゃんと出てるのだ。 これも一種のリソース・シェアリング。しかもちゃんと良く撮れた写真が 集まってるっていうのがすごいよなぁ。

投稿者 ryoji : 11:04 AM | トラックバック